帯状疱疹とはウイルスが原因である、痛み、紅斑、水ぶくれなどが発症する病気です。
感染後の治療が遅れると、帯状疱疹後神経痛という後遺症がおきる可能性が高い病気ですので、原因や症状、治療法などをきちんと理解して、早めの対処が必要となります。
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帯状疱疹の症状
初期症状
帯状疱疹の初期症状としては、皮膚がピリピリした感覚や皮膚の違和感、痛みをともないます。
しばらく経つと、皮膚が赤く盛り上がり、水泡ができます。
症状
帯状疱疹の主な症状は、
- 紅斑:皮膚が赤くなり盛り上がった状態になります。
- 痛み:痛みの度合いは人によって違いがあります。神経に作用する痛みがでるため、炎症部の痛みのほかに頭痛などを発症するケースもあります。
- 水泡
- 発熱
胸や背中にでる場合が多いのですが、顔や口の中、足などにも症状があらわれる場合もあります。
皮膚疾患の症状の中でも、痛みが強く、水泡等があらわれる範囲が広いため、完治までの間辛い状態が続きます。
発症後、完治するまでには3週間~1か月程度かかります。
きちんとした治療をしないと症状が悪化し、疱疹の症状がなくなった後も痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」になる可能性があります。
また、皮膚の炎症が強いため、完治したあとも跡が残る場合があります。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹は「水疱・帯状疱疹ウイルス」というウイルスが原因です。
これは、水疱瘡(みずぼうそう)や帯状疱疹を発症させるウイルスで、初めてウイルスに感染したときは、水疱瘡として発症します。
水疱瘡は幼少期に発症する人が多い皮膚病の一つです。
水疱瘡が完治した後も、ウイルスが体内に潜んでいて、免疫が低下した際などにウイルスが活性化し帯状疱疹として発症します。
水疱瘡にかかったことがある人であれば、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
どの年齢でも発症する可能性はありますが、特に加齢による免疫力が落ちてくる、50歳以降での発症が多い割合となっています。
帯状疱疹と蕁麻疹の違い
広範囲にわたる湿疹があらわれ、一見似たような症状が起きますが、帯状疱疹と蕁麻疹はまったく異なるものです。
ストレスや免疫力が低下したときに起きることが多いという共通点はありますが、症状はまったく違います。
症状の違いとしては、蕁麻疹は主に痒みがあらわれ、数時間で湿疹が消えるのに対して、帯状疱疹は痛みをともない、完治までには1か月ほどの時間がかかります。
また、蕁麻疹はアレルギーや皮膚炎症をおこす物質との接触に原因がありますが、帯状疱疹はウイルスが原因によるものです。
いずれにせよ、早い段階で皮膚科に診てもらうことをおすすめします。
帯状疱疹はうつる?
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帯状疱疹はうつる人とうつらない人がいます。
これは、水疱瘡と帯状疱疹の原因が同じウイルス(水疱・帯状疱疹ウイルス)であるため、一度水疱瘡になったことがある人には、帯状疱疹はうつりません。
ですから、水疱瘡を発症していない子供には、うつる可能性があります。
この場合は、帯状疱疹ではなく水疱瘡が発症します。
接触や症状が酷い場合は空気感染することもあります。
帯状疱疹の薬
帯状疱疹の治療で使用する薬は、飲み薬と塗り薬の両方です。
飲み薬
ウイルス性のものなので、抗ウイルス薬が使われます。
また、痛みの症状を緩和するために、鎮痛剤や鎮痛剤では効かない場合は神経をブロックする薬も使われます。
症状が酷いときには、点滴をうつ場合もあります。
塗り薬
水泡の化膿を防ぐための塗り薬が処方されます。
帯状疱疹の対処法
痛み
痛みの対処は、冷やすと痛みがひどくなるため、あたためることです。
入浴
1~2週間は入浴時に水泡をやぶらないためにも、石鹸やゴシゴシの刺激をさけるなど注意が必要です。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の原因となるウイルスは神経節に影響をあたえるため、痛みをともなうのが特徴です。
神経への影響があるため、帯状疱疹による皮膚の症状が完治したあとでも、後遺症として、痛みが残るケースがあり、その症状を「帯状疱疹後神経痛」と言います。
一般的な場合、帯状疱疹が発症してから3日以内に抗ウイルス薬の服用を始めると、後遺症の発症率がさがると言われています。
早めの治療が大切ということです。
後遺症の痛みは、主に皮膚の症状がでていた部分にあらわれ、ピリピリや刺すような痛みがあります。
対処としては、体をなるべくあたためること、疲れをためないような生活を心がけることが重要です。
帯状疱疹の予防接種
帯状疱疹のワクチン接種は、同じウイルスである水疱瘡用のワクチンと同じものになります。
ワクチン接種は任意になりますので、本人もしくは子供が対象の場合はその親の判断で接種を受けることができます。
成人になってからの水疱瘡の発症は重症化する恐れがありますので、幼少期に水疱瘡にかからなかった人にも有効になります。
ワクチン接種により、帯状疱疹が発症する確率は65%まで下がるという結果がでています。
まとめ
ストレスや免疫力の低下、なんらかの病気の治療で免疫抑制剤を使っているような場合に、発症する病気です。
発症してすぐに薬の服用を始めないと、後遺症が残る可能性がありますので、異変を感じたらすぐに皮膚科に行きましょう。
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