5人に1人が経験があると言われている蕁麻疹の症状の見分け方、原因、薬、対処方法をご紹介します。
原因不明だからと言って、あきらめてはいけません。
薬で症状を抑えることだってできるんです。
アレルギー性ではない場合もありますので、アレルギー体質ではなくてもきちんと対処してくださいね。
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蕁麻疹の症状
蕁麻疹は約20%の人が経験する病気です。
10~30代に発症するケースが多いのですが、年齢に関係なく誰でも起こる可能性があります。
蕁麻疹の主な症状としては
- 膨疹
- かゆみ
です。
膨疹というのは、炎症がる部分の湿疹が、赤く盛り上がったものです。
大きさはさまざまで、体のいろいろな部位に現れます。
特徴的なのは、一か所にでた湿疹が少し経つと消えるということです。
大抵は数時間で消えてしまい、他の部分にまた蕁麻疹がでます。
膨疹が喉などにでた場合は、呼吸困難などが生じショック状態になるケースもありますので、症状がでた部位や範囲などによって、急な措置が必要な場合もあります。
蕁麻疹は急性のものと慢性のものに分類されています。
急性蕁麻疹
急性蕁麻疹は1週間程度で症状がなくなります。
慢性蕁麻疹
慢性蕁麻疹は1か月以上続くような場合です。
このように、蕁麻疹は同じ部位にずっと出ていることはなく、慢性的に湿疹がでるアトピー性皮膚炎とは症状が異なります。
蕁麻疹のしくみ
蕁麻疹は皮膚が赤く盛り上がりますが、蕁麻疹には塗り薬は効果がありません。
これは、皮膚の表面ではなく、「真皮」に異変が起き症状がでるからです。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織からできています。
- 表皮:皮膚の表面の部分
- 真皮:表皮の内側の血管などがある部分
- 皮下組織:真皮のさらに内側の部分
蕁麻疹は真皮の部分で、何らかの刺激が悪さをして、ヒスタミンやサイトカインなどの物質が放出され、皮膚が盛り上がることで症状がおきます。
ですから、表皮自体の炎症ではないので、塗り薬が効かないのです。
蕁麻疹はアトピーと違う
蕁麻疹のしくみでもわかるように、蕁麻疹は真皮、アトピー性皮膚炎は表皮の炎症によって起きるものです。
ですから、蕁麻疹とアトピーは同じように痒い症状はでますが、原因となる皮膚の位置やその後の症状などが、明らかに異なります。
アトピー性皮膚炎には、塗り薬が有効である点でも異なっています。
また、蕁麻疹はアレルギーが原因とは限りません。
アレルゲンとなる物質だけが、蕁麻疹を引き起こしているわけではないのです。
蕁麻疹の原因
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蕁麻疹の原因にはさまざまなものがあります。
アレルギー体質ではなくても、なんらかの条件が重なることで発症する場合もありますので、蕁麻疹が発症したら何が原因であるかを突きとめることが大切です。
ただし、ほとんどの場合が原因不明の蕁麻疹で、原因を特定できないことが多くみられます。
その場合でも飲み薬によって症状を抑えることが可能です。
蕁麻疹の種類
蕁麻疹にはいろいろな原因があるとされています。
- 食餌性蕁麻疹:食べものが原因のもの
- 薬剤性蕁麻疹:解熱鎮痛剤などの薬が原因のもの
- コリン性蕁麻疹:自分の汗が原因(コリン性蕁麻疹についてはこちらから♪)
- 人工蕁麻疹:引っ掻くことで起きる
- 寒冷蕁麻疹:急激に冷やされたときに起きる(寒冷蕁麻疹についてはこちらから♪)
- 日光蕁麻疹:日光にあたったときに起きる
- 温熱蕁麻疹:急激に熱せられたときに起きる
- 接触蕁麻疹:何かに触れたことが原因
- 病巣感染症蕁麻疹:病気が原因
- 心因性蕁麻疹:ストレスや疲れが原因
- 原因不明:原因がわからないものです。
コリン性蕁麻疹の詳細についてはこちらから♪
⇒コリン性蕁麻疹とは?夏は注意!原因は汗アレルギーのせい?汗を抑える対策と治し方!
寒冷蕁麻疹・温熱蕁麻疹についてはこちらから♪
⇒子供に多い寒冷蕁麻疹の原因と治し方は?症状を把握して今すぐ対策を!!
蕁麻疹の検査
蕁麻疹の検査では、血液検査が代表的ですが、他にも原因をつきとめるためにさまざまな検査があります。
血液検査
アレルゲン抗体の有無を調べる検査です。
プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト
皮膚に直接アレルゲンのエキスをつけて反応をみるものです。
誘発テスト
日光や寒冷、温熱、汗に関しては、それらの刺激を皮膚にあたえて症状がでるかを確認することができます。
負荷テスト
アレルゲンの疑いがる食べものを実際に食べてもらって、症状を確認します。
ショック症状がでる可能性がありますので、医師と一緒か入院などして行うテストです。
アレルギー検査についてはこちらから♪
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
蕁麻疹の薬
蕁麻疹は飲み薬で治します。
前述したように、蕁麻疹は真皮の症状ですので、塗り薬は効き目がありません。
飲み薬で使われるのは、ヒスタミンを抑制する薬で、抗ヒスタミン剤がもっとも多いです。
眠くならないタイプの抗ヒスタミン剤が処方される場合が多いのですが、眠くなる薬か否かが気になる方は、病院の先生に確認しましょう。
また、強いかゆみで眠れないなどの症状がある場合は、睡眠薬・睡眠導入剤が処方されることがあります。
不眠により更なる症状の悪化を防ぐためです。
※睡眠薬や睡眠導入剤はアレルギー薬と併用することで眠気が強くですぎることがありますので、注意が必要です。
非鎮静性の抗ヒスタミン剤(眠くならないタイプのもの)
抗ヒスタミン剤で効き目がない場合は、抗ロイコトリエン薬やステロイド剤(内服)が処方される場合もあります。
原因不明の場合でも、抗ヒスタミン剤で症状を抑えることができます。
きちんと服用することで、治すこともできます。
ただし、治療が遅くなればなるほど、完治率が下がり慢性的な症状になる可能性がありますので、蕁麻疹かなと思ったらすぐにお医者さんに診てもらうことをおすすめします。
もし、蕁麻疹の症状が時間経過で消えてしまうような場合は、症状がでている状態を写真などに撮っておきましょう。
後から、お医者さんに見せることで、受診時に症状が治まっていても状態を確認してもらうことができます。
飲み薬についてはこちらから♪
⇒アトピー性皮膚炎に効く「飲み薬」の種類と副作用
蕁麻疹の対処法
蕁麻疹がでたらまずは病院に行くのがおすすめですが、すぐに行けない場合の対処法をご紹介します。
蕁麻疹をかかない
冷やすことで、かゆみが抑えられますので、氷水やアイスノン、保冷剤などで冷やしましょう。
薬を飲む
抗ヒスタミン剤を飲みます。
病院にすぐにいけない場合は、市販薬でもOKです。
原因を取り除く
原因がわかっている場合は、それを取り除きましょう。
原因不明の場合でも、ストレスをためずに睡眠をよくとることが大切です。
体を温めない
熱いお風呂に使ったり、辛い食べ物、熱い食べ物を食べるなど、体を温めると症状の悪化につながる可能性があります。
まとめ
蕁麻疹に有効な治療は「飲み薬」です。
「塗り薬」は効果はありません。
アトピーとも症状が異なりますので、症状を見極めて対策をとりましょう。
急激に症状が悪化した場合は、迷わずすぐに病院にいくことが大切です。
コリン性蕁麻疹の詳細についてはこちらから♪
⇒コリン性蕁麻疹とは?夏は注意!原因は汗アレルギーのせい?汗を抑える対策と治し方!
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