冬はアトピー性皮膚炎の人にとって、乾燥が強くつらい季節と言えます。
夏の間使用していた保湿剤では、肌の乾燥を全然カバーすることはできません!
ですから、冬は冬用のコッテリした保湿剤を使用するべきなんです。
市販の保湿剤もたくさんありますが、アトピーで元々病院に通っている人は、病院で保湿剤を処方してもらうのも一つの方法です。
病院でしか手に入らない保湿剤もありますので、皮膚の状態に合ったものを使用しましょう。
病院で処方してもらえる保湿剤について紹介します。
スポンサーリンク
アレルゲンはボロボロの皮膚から入ってくる
「アトピーの人にとって保湿は大事!」というのは以前から言われていることですが、保湿をすることはすべてのアレルゲンを防ぐことにつながります。
アトピー以外にも、いろいろなアレルギーってありますよね。
食物アレルギーや花粉症、喘息やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎など、これらは何らかのアレルゲンとなる物質を触ったり、吸い込んだり、食べたりしたときにアレルギー症状があらわれます。
もともとなぜアレルギーになるのかは長い間解明されていませんでしたが、最近の研究でアレルゲンは皮膚からそれらのタンパク質が体内へ侵入することで抗体ができてしまうことが原因であるとわかりました。
そんなこと言ったら、「みんながアレルギーになってしまうのでは!!」
と思うかもしれませんが、全ての人が皮膚から入ってくるわけではありません。
皮膚のバリア機能が低下しているときに、アレルゲンは体に入ってきてしまうのです。
ですから、皮膚の弱い子供やアトピーなどで皮膚がボロボロしているようなときは、とても注意が必要なんです。
もちろん、アレルギーになりづらい体質の人もいますが、年々アレルギーの子供が多くなってきている以上、他人ごととは言えません。
実際にアトピー性皮膚炎の人は、食物アレルギーなど他のアレルギーを併発している人が多いんです。
アトピーの人は、アトピーの症状を緩和するため、そしてこれ以上アレルゲンを増やさないためにも、普段から肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を低下させないことに気を付けることがとても大切ということです。
アレルギーになる原因についてはこちらから♪
⇒ 私たちがアレルギーになった本当の原因は?原因は解明されている!
病院で処方してもらえる保湿剤
病院から処方される保湿剤と言えば、”ワセリン“と”ヒルドイド“が有名ですが、他にもいろいろな保湿剤があります。
保湿剤自体では、アトピーの湿疹などの症状を完全に治すことはできませんが、アトピーの予防や悪化を防ぐために保湿剤は絶対に必要になります。
病院からの処方であれば自己負担金額も少なくなり、先生と相談することで、自分の症状や肌の状態に合ったものを調整配合してくれますので、皮膚科に通っている方は顔用、体用のスキンケアクリームがほしい旨、相談してみるのがよいでしょう。
ここで紹介しているものの一部は、市販されているものもあります。
軟膏は顔アトピーの保湿用であればそのまま処方される場合もありますが、体全体に塗る用でお願いすれば、各軟膏とワセリン等を組み合わせて、体スキンケア用クリームとして処方してくれます。
アトピーの保湿用軟膏
尿素含有軟膏
尿素含有軟膏はアトピー性皮膚炎の皮膚の乾燥やかるい炎症症状を改善させる効果があります。
ただし、乾燥のつよいところ、赤みがあって乾燥しているところに塗ると、滲みるという難点もあるので注意が必要です。
実際に、掻きこわしているような肌の部分に尿素入りの保湿剤を使用すると、ものすごい滲みるときがあります。
軟膏以外でも、尿素が含まれている保湿剤が結構販売されています。
尿素の配合割合で滲みる度合いも変わってくるので、他の成分とミックスされているものが使いやすいです。
アズノール軟膏
抗炎症作用のあるアズレンとワセリンを含んでいるので、保湿性があります。
亜鉛華軟膏
白色軟膏で、流動パラフィンを基材として、消炎作用と皮膚保護作用があり保湿剤として使えます。
サトウザルベ
亜鉛華軟膏が主体で、基材が菜種油と蜜蝋なので、亜鉛華軟膏より塗りやすいのが特徴です。
ワセリン
市販でも購入できますが、病院でも処方してくれます。
病院で処方されるワセリンは、白色ワセリン、プロペトの2種類があります。
※プロペトは白色ワセリンより純度が高く、目の際まで塗ることができます。
実は、ワセリンには病院で処方されるものの他に、もう一種類「サンホワイト」というのがあります。
純度が低い順に
- 白色ワセリン:硬いものが多く、のびが悪い。
- プロペト: 刺激性を少なくし、べとつきをなくした使いやすいタイプ。赤ちゃんにも安心して使えます。
- サンホワイト:純度高い。医師が処方できずこの中でも値段が高い。
となります。
サンホワイトは病院では処方してくれません。
そして、純度が高くなると、その分不純物が少なくなり肌に対する刺激が少なくなります。
また、薬が劣化しづらくなりますので、長く使うことができます。
ですから、白色ワセリンが肌に合わない場合でも、プロペトは大丈夫と言うケースもあります。
プロペトは赤ちゃんも塗ることができますし、目の際にも塗ることができます。
そして、一番の違いは使用感です。
純度が低いほど硬くベタベタ感が強くなります。白色ワセリンはぬったことがある人はわかると思いますが、かなりベタベタでのびづらいのが特徴です。
プロペトの詳細についてはこちらから♪
⇒プロペトは唇、顔に保湿効果絶大!赤ちゃんも使用できる。日焼けNGなの?白色ワセリンとの違いも!
プラスチベース
プラスチベースは下記で作られており、見た目はワセリンに似ていますが、ワセリンよりよくのびることで、塗りやすいのが特徴です。
- 流動パラフェン95%
- ポリエチレン樹脂5%
※流動パラフェンはベビーオイルそのもののこと
病院でも処方してくれますので、ワセリンの使用感が苦手な人にはおすすめです。
アトピーのクリームタイプの保湿外用剤
スポンサーリンク
クリームタイプのものは、体用の保湿剤にもよく処方されます。
ヒルドイドは「美容にもよい!」とも言われて今は有名になりましたが、そのほかにもいろいろな保湿剤があります。
肌に浸透しやすく、のびがいいもの
・パスタロン
・ヒルドイドクリーム
・ネリゾナクリーム
・ケラチナミン軟膏
・ウレパール
・ザーネ軟膏
・ユペラ軟膏
肌に浸透しづらく、のびが悪いもの
・パスタロンソフト
・ヒルドイドソフト
・ネリゾナユニバーサルクリーム
ヒルドイドの詳細についてはこちらから♪
⇒ヒルドイドは美容で使うのはNG?保険適用外の危機が!市販でも手に入るか?
⇒ヒルドイドのジェネリックはビーソフテン!副作用も理解して使おう!
ビーソフテンクリーム
上記写真は皮膚科で処方してもらった、「ヘパリン類似物質」の保湿用クリームです。
冬になり乾燥が酷くなったので、首や体用に処方してくれました。
ヒルドイドのジェネリックで以前は「ビーソフテン」と呼ばれていたものです。
上記でご紹介している保湿剤にもジェネリックがあるものもありますので、コストをおさえたい場合は、病院の先生や薬局で相談してみて下さいね。
まとめ
病院で処方してくれる保湿剤をご紹介しました。
病院によっては、いろいろな薬を組み合わせて使用感をよくしたものを処方してくれるところもあります。
白色ワセリンなどはベタベタするのがイヤで塗ることが億劫になってしまうこともあります。
ベタベタすぎて辛い。。など病院の先生に相談すると、意外に塗りやすいものも試してくれたりします。
冬は特に毎日の保湿が必要になってきます。
塗ることがストレスにならないように、もちろん効果は大切ですが使用感も自分に合ったものを使うことが継続できるポイントとなります。
保湿力が一番高いセラミド保湿剤についてはこちらから♪
⇒ おすすめ市販のセラミドクリーム、化粧水は?アトピーの保湿にはセラミドが必要!
市販の保湿剤を選ぶ基準についてはこちらから♪
⇒ アトピーの人が保湿剤を選ぶ基準は?市販保湿剤の選び方と使い方!
ヒルドイドの詳細についてはこちらから♪
⇒ヒルドイドは美容で使うのはNG?保険適用外の危機が!市販でも手に入るか?
⇒ヒルドイドのジェネリックはビーソフテン!副作用も理解して使おう!
スポンサーリンク