ナッツアレルギーは、発症すると症状が重くなるケースがあることから、とても注意が必要な食物アレルギーの一つです。
クルミ、カシューナッツは、加工食品の容器に対してアレルギー表示が推奨されている20品目の原材料にも含まれており、ナッツアレルギーがある人は普段から注意しなければなりません。
ナッツアレルギーの症状や対策、治療についてご紹介します。
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ナッツアレルギーの症状
ナッツアレルギーは、欧米では発症率が高い食物アレルギーの一つです。
日本でも、近年ナッツの消費量が多くなってきていることから、身近にナッツが存在する生活によって、食物アレルギーを発症する人の数が多くなってきています。
ナッツアレルギーの主な症状は、
- 腹痛・腰痛
- 胃痛
- 嘔吐
- 下痢
- 口内、口の周りの違和感、腫れ
- 喉のイガイガ・気管支のゼイゼイ
- めまい
- 蕁麻疹・湿疹・赤く腫れる
- 呼吸困難
- 意識障害
などです。
意識障害や呼吸困難が起きた場合は、アナフィラキシーの可能性がありますので、すぐに対処が必要になります。
アナフィラキシーについてはこちらから♪
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!
ナッツアレルギーになるナッツの種類
ナッツには多くの種類があります。
また、ピーナッツも「ナッツアレルギー」のアレルゲンとしてひとくくりにされることが多いのですが、ピーナッツはマメ科の豆であり、実はナッツ(木の実)ではありません。
ですから、ピーナッツにアレルギーがでても、他のナッツは大丈夫なケースが多く見られます。
マメ科
- ピーナッツ
クルミ科
- クルミ
- ペカンナッツ
バラ科
アーモンド
ウルシ科
- カシューナッツ
- ピスタチオ
カバノキ科
- ヘーゼルナッツ
サガリバナ科
- ブラジルナッツ
ヤオギリ科
- カカオ
ヤシ科
- ココナッツ
同じ科のナッツには、やはりアレルギー反応が起きやすく、ナッツだけではなく同科の花粉などにもアレルギーがでる場合もあります。
ナッツアレルギーの検査
ナッツのアレルギーは特異的IgE抗体値がわかる血液検査でチェックすることができます。
検査可能なナッツ、豆類の項目は、
- エンドウ
- ピーナッツ
- 大豆
- インゲン
- ハシバミ(ヘーゼルナッツ)
- ブラジルナッツ
- アーモンド
- ココナッツ
- クルミ
- カシューナッツ
- カカオ
です。
食べた際に何らかの症状があるナッツだけではなく、いくつか合わせて検査することをおすすめします。
血液検査以外でも、パッチテストなどで調べてくれる病院もあります。
検査の方法や検査項目については、病院の先生と相談して決めましょう。
どの科に行けばよい?
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基本的には、アレルギー症状に合わせた科で受診しましょう。
鼻や口の症状があるのであれば「耳鼻咽喉科へ」、湿疹や蕁麻疹、皮膚の腫れがでれば「皮膚科へ」、お子さんの場合、呼吸器や胃腸などの症状がでた場合は「小児科」で診てもらいましょう。
はじめからアレルギー検査がしたいのであれば、「アレルギー科」にかかることもできます。
アレルギー検査ができるかは、事前にホームページまたは電話で確認することをおすすめします。
アレルギー検査についてはこちらから♪
⇒ アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
ナッツアレルギーは大人になれば治る?
赤ちゃんはいずれ治る可能性も!
食物アレルギーの多くは、乳幼児の発生率が高く、年齢があがると自然と治るケースもあります。
これは、年齢が低いほど、消化系の機能が未発達であることで、タンパク質の分解が不完全な場合があり、アレルギー症状を起こしやすい傾向にあるためです。
ですから、成長と共に消化の機能が発達し、アレルギーを起こさなくなる場合があります。
ナッツアレルギーの場合、成長によって治るケースがそれほど多いアレルゲンではないのですが、よくなるケースもありますので、赤ちゃんの頃にアレルギーがあっても、ある時期を境にアレルギーが陰性となることも少しは期待できます。
定期的にアレルギー検査を受けるのがいいでしょう。
アレルギーがなくなっていれば、徐々に食べられるものが増えますよ。
大人は治らない。。
幼少期にアレルギーがあり、大きくなっても自然と治らないような場合や、大人になってからアレルギーを発症したような場合は、完治することは難しくなります。
アレルギーには症状、アレルゲンなどいろいろな種類がありますが、根治するためには免疫療法が必要となります。
免疫療法が行えるアレルギーは、スギ花粉やダニなど、現在日本では一部のアレルゲンに限られているため、アレルギーの基本的な対策は対症療法となります。
ですから、薬の服用、塗り薬などを使用して症状を抑えることで、アレルギーと付き合っていくことになります。
アレルギーの薬についてはこちらから♪
⇒ アレルギーに効く「飲み薬」の種類と副作用
ナッツアレルギーの対処法、注意点!
どのナッツがアレルギーなのか把握
まずは、自分がどのナッツにアレルギーがあるのかを把握することが大切です。
交差抗原性がある食品間では、アレルギー反応がでやすいため、実際に食べることができるかを確認する際にも、細心の注意が必要となります。
ナッツはアナフィラキシーを起こすケースが多いことから、症状が重いような場合は常に医師と相談しなからの確認が必要です。
♦ピーナッツの交差抗原性
- えんどう豆、レンズ豆に対してアレルギー反応する危険率は約5%
- 大豆に対してアレルギー反応する危険率は約1%
♦くるみの交差抗原性
カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツに対してアレルギー反応する危険率は約37%
と言われています。
アレルギーがでやすい、でにくいはもちろんありますが、何に対してアレルギー反応がでるかは人によってそれぞれ異なりますので、自分自身やお子さんのアレルゲンの特定はとても重要です。
ナッツを除去する
日々の生活で、ナッツを避けることが必要となります。
自分のアレルゲンであるナッツは食べないようにしましょう。
また、ナッツはオイルやバター、ドレッシング、菓子などにも使用されていますので、加工食品は必ず原材料をチェックするようにしましょう。
ちなみに、加工食品に対するアレルギー表示については、義務化または推奨されているものがあります。
特定原材料7品目の一つ
”ピーナッツ”はアレルギー表示が義務化されているものです。
特定原材料に準ずる20品目に含まれる
”クルミ”、”カシューナッツ”はアレルギー表示が推奨されています。
「えっ、他のナッツは?」
と思いませんでしたか?
他にも、アレルギー症状が強くでるアレルゲンとなるナッツが存在していますが、アレルギー表示の義務化、推奨の品目には含まれていません。
ただし、加工食品は基本的に原材料を表記するきまりがあるため、アレルギー品目として表示されていなくても、原材料欄をきちんとチェックすることで確認できます。
※対面販売や外食の際は記載がないケースが多いので、十分に注意してくださいね。
ローストしたナッツは特に注意
ナッツは加熱によって、アレルゲン性が増加する特徴があります。
ですから、高温処理がされているローストナッツなどは特に注意が必要です。
吸い込み注意!
ピーナッツの場合、殻にもアレルゲンとなるタンパク質が含まれているため、剥いたりした際に吸い込む可能性があります。
また、豆まきの際も殻から、アレルゲンが舞うような場合もありますので、注意が必要です。
保湿クリームにも使われている
欧米などでは、ナッツオイルを使用した保湿クリームが多く販売されています。
昔は少なかったのですが、最近は日本でも多く見かけるようになりましたので、皮膚に塗るものについても注意しましょう。
まとめ
重篤化することで知られているナッツアレルギーについてご紹介しました。
ご自分のアレルゲンを特定すること、自分が食べられる範囲を確認することが重要となってきますので、食べた際に違和感があれば、すぐに病院で検査を受けましょう。
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