「アトピーの人は油断ちが必要!」
いくつかの書籍で読んだことがあります。
でも、実際に油をすべて絶つという意味ではありません。
「油を選択する」ということなんです!
わたしたちが普段食べているものには、さまざまな油・脂が使用されています。
油の種類を選ぶことで、アトピーが改善するケースもあるんです。
アトピーの人が選ぶべき油・脂の種類をご紹介します。
アトピーを悪化させる油、アトピーを改善させる油の種類を知って、普段使いの油を意識的に選択しましょう!
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脂肪酸の種類によって効果が異なる!
脂肪酸は、多くの脂質に含まれる成分のことで、いくつかの種類があります。
この種類の違いによって体に及ぼす効果が異なってきます。
脂肪酸の種類は炭素同士の二重結合の有無によって「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の二つにわけられます。
いずれの脂肪酸も炭素数によって更に、いくつかにわけられます。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、常温で固体のものが多い脂肪酸です。
飽和脂肪酸に含まれるものは、
- ヘッド
- ラード
- バター
- 油やし(パーム)
- ココナッツオイル
- トランス脂肪酸
などで、動物性の脂質に多く含まれています。
摂りすぎると、中性脂肪やコレストロールの濃度が上がり、脂質異常症、動脈硬化を起こすと言われています。
また、ショートニングやマーガリンは、トランス脂肪酸が含まれていることから、体の中で代謝しない脂と言われています。
不飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸は常温で液体の油です。
一価不飽和脂肪酸
オメガ9脂肪酸(n-9系列)
一価の不飽和脂肪酸の「オレイン酸」は、コレステロールを下げる作用があります。
オレイン酸を多く含むものは、
- オリーブ油
です。
多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸は、さらに「n-6系列」、「n-3系列」にわけられます。
オメガ6脂肪酸(n-6系列)
オメガ6脂肪酸には「リノール酸」、「アラキドン酸」があります。
リノール酸は体内で合成できなく、またアラキドン酸は合成量が少ないことから、食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」となります。
含まれているものは
- ゴマ油
- サフラワー油
などで、血中の総コレステロール値を低下させて動脈硬化を予防する作用があります。
ただし、大量に摂ってしまうとHDLコレステロール値も下げてしまう場合があります。
オメガ3脂肪酸(n-3系列)
オメガ3脂肪酸には、「α-リノレン酸」、「IPA」、「DHA」があります。
α-リノレン酸は体内で合成できないことから、食事から摂取する必要がある「必須脂肪酸」となります。
含まれているものは、
- しそ油
- なたね油
などで、血中の総コレステロール値を低下させる作用があります。
IPA、DHAは中性脂肪を低下させて、脂質異常症の予防や、動脈硬化などの発症も抑える働きがあります。
一つの油にはいろいろな脂肪酸が含まれている
あなたは普段「何の油」を使っていますか?
真っ先に自宅のお料理で使うものが気になると思いますが、わたしたちが普段から食べている加工食品にもたくさんの油が含まれています。
加工食品はオメガ6脂肪酸だらけ
本来、脂質は人の体に必要なものですので、どの種類の脂肪酸であっても、摂る量によってメリット、デメリットがあります。
では、何故ある種の脂肪酸のみが、「体に悪い」、「アトピーを悪化させる」と言われているのでしょうか。
それは、一つの脂肪酸のみに摂取量が偏ってしまっているからです。
本来バランスよく摂ればどの脂肪酸であっても体に有用なはずですが、ちまたに溢れている加工食品で使用されているもの、家庭の調理用として販売されているものの多くがω6である「リノール酸」ばかりが含まれています。
ですから、普通に食事をしているだけで、菓子を食べたり、外食をしているだけで、リノール酸過多になってしまいがちなんです。
油は複数の脂肪酸でできている
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上述の通り、脂肪酸別の代表的な油をご紹介しましたが、実は油は一つの脂肪酸のみでできているわけではありません。
いくつかの脂肪酸が組み合わされてできているんです。
例えば「オリーブ油」の場合、各脂肪酸の割合は下記となります。
- オレイン酸:76%
- リノール酸:8%
- パルミチン酸:14%
- その他:2%
オレイン酸が多く含まれていますが、リノール酸(ω6)やパルミチン酸(飽和脂肪酸の一つ)も含まれていますね。
「オメガ3が豊富!」とCMなどでも有名な「亜麻仁オイル」もω3である「αリノレン酸」は約60%で、他はオレイン酸やリノール酸が含まれています。
ですから、オメガ3を意識した油を摂っていても、オメガ6や飽和脂肪酸など、他の脂肪酸の成分も摂取していることになります。
▶脂肪酸の摂取量で理想的とされている割合は、
ω3:ω6= 1 : 4
と以前は言われていましたが、最近はω3の割合を増やす方向性に変わってきています。
ω3:ω6= 1 : 2
または
ω3:ω6= 1 : 1
が体によいと言われているんです。
気づかないうちに摂りすぎてしまっているω6を減らし、ω3を意識的に摂っていく必要があります。
アトピーを改善させる油はω3!
非加熱料理にはω3を!
アトピーによいと言われている油はズバリ「オメガ3脂肪酸を多く含んでいる油」です。
オメガ3脂肪酸で肌に関係すると思われるのは、
- 炎症を抑える
- アレルギーを抑制する
という効果が期待できるんです。
ただし、オメガ3脂肪酸は熱に弱い!という残念な特徴を持っています。
あれ?オイルって加熱料理には欠かせないものですよね。
「加熱料理に使えないオイルって。。。」
と思いませんでしたか?
少なくとも、わたしは初めそう思いました。
オメガ3脂肪酸の代表である「α-リノレン酸」は、必須脂肪酸であるのにも関わらず、普段わたしたちが食べているお料理ではあまり使われていない油なんです。
ですから、加熱しないお料理で積極的に摂ることで体内のバランスが保たれるということです。
オメガ3脂肪酸をお料理にプラスすることで使用するようにしましょう。
- ドレッシングに使う
- ω3が多いオイルが使ってあるドレッシングを買う
- 加熱料理が出来上がったあとに、上からかける
- ヨーグルトにまぜる
などです。
オメガ3の多い油
オメガ3脂肪酸が多いオイルは、
- 荏胡麻オイル(α-リノレン酸60%)
- 亜麻仁オイル(α-リノレン酸60%)
- サチャインチオイル(α-リノレン酸50%)
- チアシードオイル(α-リノレン酸47%)
です。
エゴマと亜麻仁はスーパーでもよく見かけますよね!
ただし、この二つは味にクセがあります。
魚の香りがありますので、好き嫌いが分かれるかと思いますので、初めは少量のサイズを購入することをおすすめします。
加熱料理にはω9を!
では、加熱料理に使うオイルは何を選ぶべきなのでしょう。
それは、オメガ9脂肪酸である「オレイン酸が多いもの」です。
これは、アトピーによいわけではありませんが、アレルギーを悪化させるような成分ではありませんし、熱に強い特徴を持っています。
オメガ9の多い油
オメガ9脂肪酸が多いオイルは、
- ひまわり油(オレイン酸86%)
- 紅花油(オレイン酸78%)
- オリーブオイル(オレイン酸76%)
- 菜種油(オレイン酸64%)
- 椿油(オレイン酸87%)
などです。
アトピーを悪化させる油はオメガ6!
アトピーを悪化させる原因となる油は「オメガ6脂肪酸」である「リノール酸」を多く含んでいる油です。
本来、オメガ6脂肪酸は、血中の総コレステロール値を下げてくれるという作用がある油なのですが、ほとんどの加工食品にこの成分が含まれているため、日本人は知らないうちに摂りすぎている傾向があります。
オメガ6を摂りすぎると、善玉コレストロール値を低下させたり、アレルギー症状を悪化させると言われています。
ですから、菓子などの加工食品はもちろん、お店で販売しているお弁当などもできる限り避けることが、ω6の摂取量を減らすことにつながります。
ω6が多い油
オメガ6脂肪酸が多いオイルは、
- サフラワー油
- 綿実油
- コーン油
- 大豆油
- ごま油
- グレープシードオイル
などです。
お店で作られているものは、サフラワー油使用の割合が高いと言われています。
アトピーによいバター
オイルのお話ばかりでしたが、バターについてもご紹介しましょう。
バターはカロリーが高く、摂りすぎるとコレストロールなども気になるので、敬遠ぎみな人も多いのではないでしょうか。
「アトピーでもバター食べたいな。。」
という方には、是非「グラスフェッドバター」をおすすめします。
グラスフェッドバターは、牧草のみを与えて育てられた牛のミルクから作られているバターのことで、「オメガ3脂肪酸」が多く含まれています。
また、アレルギー反応を抑える作用がある「共役リノール酸」という脂肪酸も含まれているんです。
共役リノール酸は、「リノール酸」と名前は似ていますが、ほぼ反対の作用がある体にとてもよいと言われている成分です。
グラスフェッドバターは、スーパーなどの店頭では手に入りにくいため、通販で検索してみてくださいね!
グラスフェッドバターを使った「ギー」もおすすめです。
まとめ
アトピーの人が選ぶべきオイルをご紹介しました。
▶摂ってよいもの!
- オメガ3
- オメガ9
▶控えるもの!
- オメガ6
▶バターは
- グラスフェッドバター
- グラスフェッドバターのギー
です。
油の種類を変えることで、アトピーの炎症がかなり治まったという人も多くいますので、加工商品やお店のお惣菜、お弁当はなるべく控えめにして、油選びに取り組みましょう。
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