ピーナッツアレルギーは、食物アレルギーの中でもアレルギー症状が重篤化することが多く、欧米ではアナフィラキシーを起こす代表的なアレルギーと言われています。
以前は日本での発症は少ないアレルギーだったのですが、最近はピーナッツを含む食品が増えていることから、徐々にアレルギーを起こす人の数も増えています。
ピーナッツアレルギーの原因や症状、注意点、気を付けなければならない食品についてご紹介します。
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ピーナッツアレルギー(落花生アレルギー)の原因とは?
ピーナッツアレルギーは、ピーナッツに含まれる下記たんぱく質がアレルゲンとなり、アレルギー反応を起こすものです。
- ビシリン
- グリシニン
- コングルチン
ピーナッツは豆本体だけではなく、ピーナッツの殻(落花生の殻)にもアレルゲンが含まれているため、吸い込みによってアレルギーが発症する(吸入抗原)場合もあります。
ピーナッツアレルギーの症状
ピーナッツアレルギーで起きる主な症状は、
- 口の中や喉のイガイガ
- 唇、口の中、口の周りの腫れやかゆみ
- 腹痛・下痢
- 胃痛・嘔吐
- 目や皮膚のかゆみ
- 湿疹、蕁麻疹
- くしゃみ・鼻水
- 呼吸困難
などがあります。
重篤な場合は、血圧が低下し、意識障害やアナフィラキシーを起こすこともありますので、もし間違って食べてしまったり、突然気分が悪くなった際には、すぐに救急車を呼ぶなどの対処が必要です。
アナフィラキシーの詳細についてはこちらから♪
⇒ アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
ピーナッツはナッツじゃない!
ナッツにはいろいろ種類がありますが、
”ピーナッツは実はナッツじゃないんです!!”
えっ?
と思いませんか?わたしは最近まで知りませんでした。
ピーナッツはマメ科の植物なので、ナッツ(木の実)ではなく、豆なんです。
ただし、”ピーナッツ”もナッツに分類される”くるみ”や”アーモンド”も、アレルギーがでると重篤な症状を起こす可能性がある食品ということから、「ナッツアレルギー」とひとくくりで呼ばれている場合もあります。
でも、厳密にはビーナッツアレルギーは、豆アレルギーの一つということです。
ピーナッツアレルギーの人の除去対象は?
上記でもお話ししたように、ピーナッツはマメ科ですので、ピーナッツにアレルギーがあっても、他のナッツを全て除去食の対象とする必要はありません。
ピーナッツと交差抗原性があるものとしては、マメ科のものと言われています。
交差抗原性とはタンパク質の構造が似ていることで、一方にアレルギーがでると、似た構造のタンパクをもった食物にもアレルギー反応があらわれることです。
ピーナッツは、えんどう豆やレンズ豆など、他の豆類に対し交差抗原性があります。
反応する確率は約5%と低めではありますが、ピーナッツにアレルギーがある人は他の豆を食べる際には「自分が食べることができる範囲」をあらかじめ知っておく必要があります。
※ちなみに、ピーナッツは「大豆」に対しては交差性はないと言われています。
ナッツアレルギーの種類
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ピーナッツはマメ科であるとお話ししましたが、”ピーナッツ”と”ナッツ類”の両方にアレルギー反応がでる人ももちろんいます。
ナッツ類を食べる際にもきちんと食べることができるもの、除去が必要なものを把握しておきましょう。
また、ナッツ類は交差抗原性の確立が高く、一つのナッツにアレルギーがでると他の種類のナッツにもアレルギー反応がでるケースが多くみられます。
クルミの場合、カシューナッツやヘーゼルナッツ、ブラジルナッツの交差抗原性は約37%と4割近い値となっています。
アレルゲンを起こしやすいとされている豆、ナッツをご紹介します。
♦豆の仲間
- ピーナッツ(マメ科)
♦ナッツ(木の実)の仲間
- クルミ(クルミ科)
- ペカンナッツ(クルミ科)
- アーモンド(バラ科)
- カシューナッツ(ウルシ科)
- ピスタチオ(ウルシ科)
- ヘーゼルナッツ(カバノキ科)
- ブラジルナッツ(サガリバナ科)
- カカオ(ヤオギリ科)
- ココナッツ(ヤシ科)
ナッツ同士でも交差抗原性がある可能性がありますが、同じ科の植物にもアレルギーがでる場合がありますので、チェックしておきましょう。
ピーナッツアレルギーの検査
ピーナッツにアレルギーがあるかどうかは、血液検査で抗体の確認をすることができます。
特異的IgE血液検査は、検査する対象を自分で選択可能ですので、気になる食物も一緒に検査することをおすすめします。
検査可能な、豆類、ナッツの項目は、
- エンドウ
- ピーナッツ
- 大豆
- インゲン
- ハシバミ(ヘーゼルナッツ)
- ブラジルナッツ
- アーモンド
- ココナッツ
- クルミ
- カシューナッツ
- カカオ
です。
検査項目について何を選ぶべきかを決めるのが難しいような場合は、病院の先生と相談して決めましょう。
アレルギー検査についてはこちらから♪
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
ピーナッツアレルギーの人の注意点、注意する食品
ローストするとアレルゲン性が増加!
ピーナッツは高温での処理で、アレルゲン性が増えることがわかっています。
ピーナッツは通常、ボイルまたはフライ、ローストなどの調理法で食べますので、ロースト(焙煎)されたものが一番アレルギーを起こしやすいと考えてよいでしょう。
- ボイル→約100℃
- フライ→約120℃
- ロースト→約170℃
周りで食べていたら注意!
ピーナッツの殻にも、アレルゲンが含まれいますので、吸い込みにも注意が必要です。
まわりで落花生を剥いている人がいたら、すぐに遠ざかるようにしましょう。
ピーナッツオイルは結構使われている
ピーナッツ自体は、食感や見た目でわかりやすいのですが、ピーナッツオイルはいろいろなお料理にも含まれていたりと、わかりづらいので注意しなくてはなりません。
ピーナッツは加工食品のアレルギー表示が義務化されている、「特定原材料7品目」の一つですので、加工食品は必ず原材料表示を確認する他、表示が義務化されていない対面販売や外食時などには、特に注意が必要です。
また、外食時はコンタミネーションの確認もしましょう。
※食品表示には、”落花生”と書かれている場合もありますので、きちんとチェックしてくださいね!
♦ピーナッツ、ピーナッツオイルが含まれている食品
- 菓子
- カレールウ
- サラダやサンドイッチ
- ピーナッツバター
保湿ローションやクリームも注意!
ピーナッツオイルは、皮膚の保湿用にも使用されるため、クリームやローション、リップなどにも使用されているものがありますので、使用しないように注意してください。
また、赤ちゃんや幼少期などの皮膚のバリア機能がまだ未完全な子供に対して、ピーナッツオイル入りの保湿剤は避けた方がいいでしょう。
理由はこちらから♪
⇒ 私たちがアレルギーになった本当の原因は?原因は解明されている!
まとめ
アレルギーの中でも症状が重篤化しやすい、ピーナッツアレルギーについてご紹介しました。
ピーナッツを食べて口の中がイガイガするなどの違和感を感じたら、まずは検査をしてアレルギーであるか、否かを確認しましょう。
食物アレルギーについてはこちらから♪
⇒ 食物アレルギーの原因は?アレルゲンとなる食品の種類はなに?
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