花粉症での目のかゆみや腫れは、つらい症状の一つと言えます。
我慢して目をこすってしまうと、眼球に傷がつく場合もありますので、かゆみを感じたらすぐに目薬を使うことが大切です。
「点眼薬は市販がいいのか、処方がいいのか?」と迷っている方もいると思います。
もちろん、時間が取れるのであれば、処方薬がおすすめです。
なかなか病院に行く時間が取れない人は、症状を我慢せずに市販の目薬ですぐに対処しましょう。
花粉症の症状は集中力の低下や不眠などの原因となりますので、きちんとした対策をしていきましょう。
花粉症の目のかゆみをおさえる目薬の選び方、処方薬をご紹介します。
アレルギー性結膜炎とは?
花粉症による目の症状は、「アレルギー性結膜炎」によるものです。
アレルギー性結膜炎には、
- 通年性によるもの
- 季節性によるもの
があります。
一年を通して症状がでるものを「通年性アレルギー性結膜炎」と言い、原因となるのは、「ハウスダスト・ダニ」などの家の中にあるものです。
毎年同じ季節に症状がでるものを「季節性アレルギー性結膜炎」と言い、「花粉」が主な原因となっています。
花粉が原因のアレルギー性結膜炎は、症状がでる時期にきちんとした対策をとることが大原則です。
花粉症の原因となるアレルゲンは、スギ・ヒノキ花粉が全体の7割以上と言われていますが、さまざまな植物から花粉は一年中飛んでいます。
花粉症による目のかゆみなどの症状は、花粉の飛散時期よりも2週間前から専用目薬を使用することで、飛散ピーク時の炎症を抑えてくれる傾向があります。
ですから、自分が何の花粉にアレルギーがあるのかを把握し、その季節が始まる前から対策することで、症状を軽減することもできます。
処方薬と市販薬の違い
目の症状に使用する目薬(点眼薬)は、病院で処方してもらうほか、市販でも購入することができます。
処方薬と市販薬では、薬の種類が違うものもありますが、同じ成分が使われているものもありますので、それぞれの薬の特徴やメリット・デメリットを把握して選択することが大切です。
処方薬のメリット・デメリット
処方薬のメリットは、やはり医師が症状に合ったものを処方してくれますので、安心感が高いことです。
処方薬のみで用いられている成分の目薬もありますので、選択肢が広がるのもポイントです。
健康保険の適用により、価格も抑えることができます。
また、市販薬のほとんどの点眼薬に防腐剤が含まれています。
防腐剤は、お薬の菌の繁殖をおさえるために配合されていますが、花粉症の場合長期間使用するケースが多いため、眼によくないと言われています。
その点、処方薬では防腐剤が入っていないものもあります。
処方薬のデメリットとしては、やはり通院が必要なことです。
メリット
- 医師が症状に合ったものを選んでくれる
- 保険が効くので安い
- 防腐剤がないものを選べる
デメリット
- 通院がめんどう
市販薬のメリット・デメリット
市販薬のメリットは、やはり通院が不要ということです。
ドラッグストアや通販であれば、いつでも入手可能ですので、薬がきれる心配も軽減します。
市販薬のデメリットは、防腐剤なしの目薬が手に入らないこと、薬の特徴がわかっていないと、症状に合ったものが選べないことです。
目薬の成分自体が眼に合ってないような場合は、かゆみが強くなったり、まぶたが腫れたりなどの症状がでてしまうケースもあります。
また、値段も高くなりますが、今はセルフメディケーション税制という制度も使えますので、時間がどうしても取れないような場合は、薬の特徴をきちんと把握して、市販の薬を使用しましょう。
目の症状が強かったり、長期間続くような場合は、やはり病院で処方してもらうことをおすすめします。
メリット
- 自分で選べる
- 通院が不要
デメリット
- どれがいいのか判断がしにくい
- 合っていないものだと、治りにくい場合がある
- 保険がきかないので高価格
花粉症の市販薬についてはこちらから♪
⇒2018 花粉症・アレルギーに効く市販のおすすめ目薬!処方薬との違いは?
⇒2018花粉症に効くおすすめ市販薬は?効き目の強さ、眠気をランキング比較!
処方点眼薬の種類と強さ
処方薬の点眼薬には、いくつかの種類があります。
- ケミカルメディエーター遊離抑制点眼薬(予防・軽い症状のとき)
- 抗ヒスタミン点眼薬(症状がでてからも効く)
- ステロイド点眼薬(症状が重いとき)
- 免疫抑制剤点眼薬(症状が重いとき)
です。
ケミカルメディエーター遊離抑制は、抗アレルギー点眼薬と呼ばれることもあり、アレルギー症状の原因となる物質が結膜に放出されることを防ぐ作用があります。
アレルギー症状が起きる前からの点眼が必要となる目薬です。
抗ヒスタミン点眼薬は、放出されてしまったアレルギー物質が、ヒスタミン受容体に結合するのを抑える作用があります。
かゆみや充血を軽減してくれるので、症状が起きてからでも効きます。
ステロイド点眼薬は、抗ヒスタミン点眼薬では症状が抑えきれないような症状が重い場合に使用される目薬です。
ステロイド剤が配合されていますので、長期間使用してしまうと眼圧が上昇してしまうなどの副作用がおきる心配があります。
市販では入手できず、処方薬のみとなります。
免疫抑制剤点眼薬も、ステロイド剤の処方時と同様に、抗ヒスタミン点眼薬では症状が抑えきれないような症状が重い場合に使用される目薬です。
ステロイド剤が入っていないので、長期間使用時の副作用の心配が少ないのですが、価格が高いという特徴があります。
市販では入手できず、処方薬のみとなります。
処方の点眼薬をご紹介します。
抗アレルギー点眼薬(ケミカルメディエーター遊離抑制薬)
花粉飛散前から点眼が必要な目薬です。
防腐剤なしのものはインタール点眼液UDのみです。高価になりますが長期間使用時でも安心して使用できます。
♦アレギサール点眼液 0.1%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:734.5円/ 5ml
♦インタール点眼液 2%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:653.3円/ 5ml
♦インタール点眼液UD 2%
防腐剤無添加の点眼薬です。
薬価は安く見えますが、一回ごとの使い切りになりますので、1日あたり3~4回ほど使うと100円前後かかります。
ですから、防腐剤なしのタイプよりはかなり高価格となります。
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:なし
薬価:26円/ 0.35ml
♦エリックス点眼液 0.25%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:816円/ 5ml
♦ケタス点眼液 0.01%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:825.8円/ 5ml
♦ゼペリン点眼液 0.1%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:744.8円/ 5ml
♦トラメラス点眼液 0.5%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:531.8円/ 5ml
♦トラメラスPF点眼液 0.5%
薬価:607.3円/ 5ml
♦ベミラストン点眼液 0.1%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:524.3円/ 5ml
♦リザベン点眼液 0.5%
抗ヒスタミン作用:無
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:634円/ 5ml
抗ヒスタミン点眼薬
抗ヒスタミン点眼薬は、ケミカルメディエーター遊離抑制薬よりも効果が強く、かゆみがでてから使用できる目薬です。
ケミカルメディエーター遊離抑制作用が“あるもの”と“ないもの”があります。
ケミカルメディエーター遊離抑制作用があるものは、予防としても使用可能です。
防腐剤フリーはアレジオンのみです。
♦アレジオン点眼液 0.05%
防腐剤フリーの目薬となりますので、長期間使用時も安心して使えます。(2014年に防腐剤フリーになりました)
ただし、薬価がとても高いです。
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと、1912.5円となります。
抗ヒスタミン作用:有
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:なし
薬価:382.5円/ ml
♦ザジテン点眼液 0.05%
以前はザジテンシリーズに防腐剤フリーのものがありましたが、現在は販売中止となっています。
抗ヒスタミン作用:有
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:662.6円/ 5ml
♦パタノール点眼液 0.1%
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと、983.5円となります。
抗ヒスタミン作用:有
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:有
防腐剤:含む
薬価:196.7円/ ml
♦リボスチン点眼液 0.025%
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと659.5円となります。
抗ヒスタミン作用:有
ケミカルメディエーター遊離抑制作用:無
防腐剤:含む
薬価:131.9円/ ml
ステロイド点眼薬
ステロイド点眼薬は、症状が重い春季カタルで処方されることが多いのですが、花粉症の場合でも、抗ヒスタミン点眼薬では症状が改善されないような場合には用いられます。
長期間使用することで、眼圧があがるなどの副作用があるため、使用法や期間をきちんと確認してから使用してください。
♦サンテゾーン点眼液(0.02%/ 0.1%)
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと0.02%は93.5円、0.1%は223.5円となります。
防腐剤:含む
薬価:0.02%:18.7円/ ml、0.1%:44.7円/ ml
♦ビジュアリン点眼液(0.02%/ 0.05%)
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと0.05%は110円、0.02%は63円となります。
防腐剤:
薬価:0.02%:12.6円/ ml、0.05%:22円/ ml
♦オドメール点眼液(0.02%/ 0.05%/ 0.1%)
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと0.1%は112.5円、0.05%は102.5円、0.02%は88円となります。
防腐剤:含む
薬価:0.1% 22.5円/ ml、0.05% 20.5円/ ml、0.02% 17.6円/ ml
♦オルガドロン点眼液 0.1%
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと208円となります。
防腐剤:含む
薬価:41.6円/ml
♦フルメトロン点眼液(0.02%/ 0.1%)
春季カタルなどの症状が強いときには、高濃度製剤の0.1%が使用されます。
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと0.02%は197.5円、0.1%は314.5円となります。
防腐剤:含む
薬価:0.02%:39.5円/ ml、0.1%:62.9円/ ml
♦リンデロン点眼液 0.01%
薬価は1mlあたりの価格です。
5mlですと219円です。
防腐剤:含む
薬価:43.8円/ ml
免疫抑制薬
免疫抑制剤点眼薬は、抗ヒスタミン点眼薬の効果不十分な場合に処方される目薬です。
主に春季カタル用として用いられています。
♦タリムス点眼液 0.1%
防腐剤:含む
薬価:9651.3円/ 5ml
♦パピロックミニ点眼液 0.1%
防腐剤なしのため、一回ごとの使い切りとなります。
一つあたり、208.9円となります。
防腐剤:なし
薬価:208.9円/ 0.4ml
まとめ
花粉症のときに処方される点眼薬をご紹介しました。
防腐剤を含まないものは、薬価が高くなってしまいますが、長期で使用するような場合は、医師と相談してみましょう。
花粉症の市販薬についてはこちらから♪
⇒2018 花粉症・アレルギーに効く市販のおすすめ目薬!処方薬との違いは?
⇒2018花粉症に効くおすすめ市販薬は?効き目の強さ、眠気をランキング比較!
スポンサーリンク