アトピーで日々たいへんな生活を送っている方、具体的にはどのような治療をしていますか?

アトピーの治療は、病院でしてもらえるものはもちろん、自宅でできるものもさまざまあります。

一日でも早く、アトピーの症状が軽減できるように、今すぐできることから始めましょう。

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アトピーの治療方法の要

ポイント

アトピー治療として、皮膚科の先生が使用しているガイドラインがあります。
日本皮膚科学会が2000年に作成した「アトピー性皮膚炎診療のガイドライン」によると、アトピー性皮膚炎の治療の三本柱は

  • クスリによる治療
  •  悪化要因の検索と対策 (悪化因子の見極め)
  •  スキンケア

と言われています。

 

「クスリ」はもちろん、病院から処方してもらうものですね。

 

「悪化要因の検索と対策」はいわゆる、アトピーの症状を悪化させている原因が一体何なのかを見極めることです。これは、自分と病院の両方で進めていくことです。

 

「スキンケア」は、日々の保湿ですので、自宅で自分自身が頑張っていくことです。

この三本柱の他にも、病院で行えるアトピー治療もあります。詳しくみていきましょう。

 

アレルギー検査についてはこちらから♪
アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて

病院で行えるアトピー治療法

診察中の画像

薬の処方

飲み薬の処方

  • 抗アレルギー剤:アレルギーの症状を抑制する効果
  • 抗ヒスタミン剤:アレルギーの症状を抑制する効果
  • ステロイド内服薬:アトピーの症状が酷く、一般的な治療では改善されないときに処方される。
    アレルギー症状を抑えるほか、炎症も回復する
  • 睡眠導入薬:痒みで眠れない人のために、処方される
  • 漢方薬:炎症や痒みを抑える効果。治療補助として、抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤と併用する場合が多い
  • サイクロスポリンA:アレルギーの重症患者に使うもの
    免疫抑制剤と呼ばれる種類の薬で、免疫の働きを抑える

 

抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤
一般的に処方されるのは、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤です。

これらの副作用は眠気が代表的です。花粉症の人にも処方されています。

いろいろな種類があり、アトピーの症状の度合いによって、医師が合った強さのものを処方してくれます。

また、この薬は一日の上限摂取量が決まっており、MAX分量でも効果が足りないと医師が判断した場合は他の薬を併用するといった方法がとられます。

ですから、抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤をそれぞれ1種類処方されることもあります。

併用してはいけないクスリのルールもありますので、自己判断で2種類の薬を飲むのはやめましょう。

 

ステロイド内服薬
ステロイド内服薬は飲み始めてからかなり早い段階で、アトピーの炎症がはっきりとわかるくらいに回復し、肌もキレイになります。

ただし、副作用が強く内臓にかなりの負担をかけます。

 

代表的な副作用としては、ムーンフェイス(顔が丸くなる)、骨粗鬆症、クスリをやめた際に起きるリバウンドです。

既にステロイド外用薬の中毒となっている人は、飲まない方がいいと私は思います。

私個人が塗り薬のステロイド中毒なので、どんなに症状が悪いときでもステロイド内服薬の処方に関しては拒否しています。

 

病院で処方された場合は、よく考えてから服用してください。
リバウンド等のリスクを負ってまで飲んだ方がいいのか、否かを。

 

ステロイドの怖さについては、こちらのリンクで詳しく紹介しています。
ステロイド剤の内服時と外用時の副作用の違い

塗り薬の処方

  • ステロイド剤
  • 非ステロイド系の痒み止め
  • プロトピック軟膏

すべて、皮膚の炎症を抑える効果があります。

ただし、ステロイドやプロトピックに比べると、非ステロイド系の薬は効果は弱いです。

光線療法

ナローバンドUVB療法

治療に必要な波長のみの紫外線を患部に当てる治療法で、痒みや湿疹が長く続き、塗り薬や飲み薬でもなかなか改善が見られない場合に勧められます。

有害な紫外線をカットしているので、安心です。

 

皮膚科やアレルギー科の外来で受けることが可能であり、効果がでるまでには20~30回程度必要。

ナローバンドUVB療法ができる医師か看護師がいる医療機関に限ります。

治療は5分程度で終わり、痛みもなく簡単にできる治療法です。

また、プロトピック軟膏を塗っている部分には照射できません。

 

わたしは実際にこの治療を以前行っておりました。

頸、背中、脇の下に紫外線照射をしていたのですが、照射後1週間くらいは、酷い痒みが抑えられます。

ですから、週1程度では通う必要があると思います。

そのうち、痒みが酷い部分の湿疹はでなくなりましたので、20回も必要ありませんでした。

 

同じ部分の湿疹がなかなか治らない人は、一度試してみてはいかがでしょうか。

ただし、一定期間は通わないといけないことも考慮して決めてくださいね。

免疫療法

免疫療法は、アトピー性皮膚炎だけではなく、花粉症や食物アレルギーなど、アレルギー全般に効果がある治療法ですが、即効性がなく時間がかかる治療となります。

アレルゲン免疫療法または減感作療法

アレルゲン物質の希釈エキスを皮下に注射することで、アレルギーに対する耐性を作る方法

週1~2回の注射を行い、1~2年程度継続が必要

舌下免疫療法

アレルゲン免疫療法と同様にアレルゲン物質の希釈エキスを投与する方法であるが、注射ではなく舌下に滴下する方法。

注射の場合、病院に通うのが大変であるが、「舌下免疫療法」は自宅でできるので、頻繁に通う必要がなく実施しやすいのが特徴です。

現在、日本で保険適応で舌下免疫療法がおこなえるアレルゲンは、スギ花粉とダニです。

これらが原因でアトピーや鼻炎が発症している場合に治療を行うことができます。

注射療法

痒みをとるための注射で、アトピーやアレルギーに効果あります。

今は結構な種類の薬がありますので、行きつけの病院で確認するとよいでしょう。

 

自宅で行えるアトピー治療法

スキンケア中の女性の画像

徹底的なスキンケア

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アトピー性皮膚炎の人は多くの場合、皮膚が乾燥しバリア機能が低下することで炎症が起きやすくなっていますので、保湿剤を使用したスキンケアは治療として大きな効果があります。

 

スキンケアによって壊れたバリア機能を補うことで、薬の効果が高まるとともに、症状が悪化することも防ぐことができます。

日常生活においてスキンケアを習慣化することは、女性だけではなく男性にとってもキレイな肌作りの大事な治療となるのです。

スキンケアのタイミング

1.入浴後
スキンケアをするタイミングで、まず外せないのは入浴の後です。
入浴後は皮膚を保護している皮脂膜が石鹸によって洗い流されていますので、入浴後10分以内の皮膚がみずみずしさを保っているうちに、保湿剤を塗りましょう。

 

2.洗顔後
洗顔後も同様に10分以内に、顔の保湿が必要です。

 

3.乾燥を感じたら
本来は皮膚の乾燥や痒みを感じたときに、すぐ保湿剤を塗ればいつでも皮膚はしっとり状態をキープできますが、いつでもどこでも保湿できるわけではありません。
ハンドクリームくらいであれば、学校やオフィス、屋外でも休み時間や仕事の合間に使用できますが、外出先で顔や体に保湿クリームを塗るのは難しいのが現状です。

体は朝と夜の保湿を

入浴後のみの保湿で乾燥を感じない人は問題ありませんが、日中もカサカサで痒みを感じる人は、朝の着替えの際に保湿を心がけましょう。

 

朝は余裕がない時間帯です。また、これから一日着る服がベタベタするのは不快になりますので、のびやすくあまりベタベタしないタイプのローションやクリームの選択がよいでしょう。

朝に塗っておくと、服の繊維による刺激もかなりブロックできますので、冬は特におすすめです。

顔は朝、昼、晩の保湿を

顔は、朝の洗顔後と、夜の入浴後に保湿をするのが基本ですが、可能な人はお昼にも一度クリームなどを塗ることが効果的です。

 

女性の方はランチ後のお化粧直しの際に、クリームを塗るだけで夜までの乾燥度合いがかなり変わります。

男性の方もランチ後に歯磨きの習慣がある人は、ついでに顔にクリームを塗りましょう。

 

保湿剤についてはこちらから♪
アトピーに効果的な保湿剤の選び方と使い方

ストレスを見直す

アトピーの症状はストレスや疲労、寝不足の時に悪化すると言われています。

そんなときって、風邪もひきやすくなりますよね。

体や心の疲れをとりのぞき、免疫力が低下を阻止することが大切です。

 

とは言っても、日常のストレスをなくすことも簡単ではありません。

アトピーの人は、アトピーの症状がすでにストレスであるのは間違いないのですし、学校や仕事や人間関係にストレスがあるから改善しよう!と思って改善できるのであれば、すでにやってますよね。

 

ではどうすればよいのでしょうか。

質のよい睡眠を確保する

睡眠をきちんととることで、ストレスはかなり軽減されます。

深い眠りは、脳の疲労を回復し、内臓の修復も行います。

 

アトピーの薬にも使われているステロイド(副腎皮質ホルモン)は、人の体でも作られるホルモンで、副腎の皮質で生成され分泌されています。

このホルモンには、免疫抑制や抗炎症作用があり、ストレスやアレルギー反応をおさえてくれる働きがあります。

いわゆる私たちが抱えている、アトピーやさまざまなストレスを抑制してくれているホルモンなのです。

 

そして副腎皮質ホルモンは睡眠時にのみ体で作られ、起床時にはどんどん消費されていきます。

ですから、きっちり寝て、副腎皮質ホルモンをたくさん作らなければいけないということですね。

 

では、就寝中にアトピーの炎症がひどく、痒くて眠れないとどうなるでしょう。

アトピーやストレスと戦ってくれる、副腎皮質ホルモンの生成が阻害されます。

寝不足の日はいつもより体が蓄えている副腎皮質ホルモンが少ないので、日中もアトピーが悪化し、さらに痒くて夜眠れなくなるという悪循環がまっているのです。

 

痒さ対策を万全にし、質のよい睡眠をとることがストレス解消、そしてアトピーの治療には大切となります。

運動をする

効果が高いストレス対策が「運動」です。

運動することで、身体、心、脳の疲労が回復し、リラックス効果があることから、今はうつ病の治療にも運動を取り入れている病院もあるほどです。

 

免疫力のアップや熟睡を促す効果もあるので、アトピーの人はぜひ運動をするのがお勧めです。

 

では、どの程度の運動が必要なのでしょうか。

身体、心、脳の疲労回復には、運動は「少しでもよいが、やればやるほどいい」と言われています。

目安としては、「週に6日、なんらかの有酸素運動を45分から1時間」するのが理想です。

 

だからといって、運動ばかりしていられないですよね。

週3回を目標に、心拍数があがる程度の有酸素運動を実践しましょう。

平日にそんな時間ないよ!!という人でも何もしないよりは、お風呂あがりのストレッチや5分の屈伸などでも体を動かすことはとても気持ちのいいことです。

 

「今日はストレッチした!」というだけで、プチ達成感がうまれ気持ちも向上します。

 

ほんの少しの運動でも、心を癒す効果がありますので、ぜひ実践してみてくださいね。

アレルゲンを除去する

アトピーの原因となっている物質の除去がやはり第一優先です。

日々の生活でアレルゲンをとにかく避けていきましょう。

 

まとめ

いろいろな治療法がありますね。

病院で適切な治療を行うことは大切ですが、日々のスキンケアやストレス解消が免疫力をあげ、アトピー症状の緩和につながります。

すべてはできなくても、一つでもできることからストレスなく始めるのが一番の解消法です。

小さくてもいいので、新たな一歩を踏み出してくださいね。

 

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