3大アレルゲンの一つである「小麦アレルギー」は、消化酵素による抵抗性や耐熱性は低いため、通常の加熱料理にてアレルギー性は低下しないことから、小麦アレルギーを発症すると多くの食品を除去しなければなりません。

 

小麦のアレルゲンとなるタンパク質はいくつかありますが、その中でもグルテンアレルギーの場合は、小麦以外の食品にも注意が必要です。

 

小麦アレルギーの症状や原因、検査、治療、小麦が含まれる食品、注意点について紹介します。

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小麦アレルギーとは

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食物アレルギーについてはこちらから♪
食物アレルギーの原因は?アレルゲンとなる食品の種類はなに?

小麦アレルギーの人は結構多い?!

小麦アレルギーとは、小麦のタンパク質がアレルゲンとなって腹痛などの症状を起こす、食物アレルギーの一つです。

小麦は、鶏卵、牛乳につぐアレルゲンとして、アレルギーを引き起こしやすい食物です。

小麦は「特定原材料7品目」として、加工食品への表示義務が指定されている食物ですので、アレルギーがある人は必ず確認することが必要です

小麦は多くの加工食品に含まれているため、普段から小麦が含まれている食品についてきちんと把握することが大切です。

小麦アレルギーの症状は?グルテン過敏症、グルテン不耐性の可能性も!

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小麦がアレルゲンとなって引き起こす主な症状は、

  • 口腔内や喉のかゆみや腫れ
  • 腹痛・下痢
  • 嘔吐
  • 湿疹
  • 蕁麻疹
  • くしゃみ、鼻水、鼻づまり
  • だるさ・めまい
  • アナフィラキシー

などがあげられます。

 

アレルゲンを摂取した後に運動することによって起きる、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」は、小麦摂取が原因である場合が多いと言われています。

卵アレルギー、牛乳アレルギーは幼児期に発症が多く、大人になると症状がでなくなるケースが多くみられますが、小麦アレルギーについては、大人になっても治りにくいアレルギーです。

グルテン過敏症・グルテン不耐性かも?

小麦に含まれる「グルテン」を分解する酵素が少ないまたは、ないことで、小麦をうまく消化できないため、下痢などのお腹の症状がおきることを、「グルテン過敏症」や「グルテン不耐性」といいます。

 

これは酵素の量が問題であり、小麦アレルギーとは異なりますが、時間がたってから腹痛などが起きる、遅延型の小麦アレルギーと症状が似ています。

また、アレルギーの抗体検査では確認できません。

セリアック病かも

セリアック病とは、小麦に含まれる「グルテン」に対して、免疫が過剰に反応し、自分自身の小腸を攻撃して傷つけてしまう病気で「自己免疫疾患」の一種です。

この病気も小麦アレルギーとは異なり、小麦アレルギーよりも強い症状がでます。

小麦アレルギーの原因のタンパク質はなに?

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小麦のアレルギーの原因となるタンパク質は

  • グリアジン
  • グルテニン
  • αアミラーゼ
  • アルブミン
  • グロブリン

です。

グリアジン、グルテニンは「グルテン」に含まれているタンパク質です。

グルテンにアレルギーがある場合は、小麦だけではなく、大麦などのグルテンが含まれている食品にも気を付けなければいけません。

 

小麦のタンパク質は、消化酵素抵抗性、耐熱性によるアレルギー性の低下はないと言われています。

加熱料理でもアレルゲンの強さは変わらないということです。

 

また、アレルゲンとなるタンパク質は水溶性であることから、小麦の粉末を吸い込んだような場合も、アレルギー症状があらわれることがあります。

パン屋さんの小麦アレルギーは職業性アレルギーの一つと言えます。

小麦アレルギーの検査はできるの?

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血液検査(特異的IgE抗体検査・RAST)

血液検査では、下記の項目のアレルギー検査が可能です。

  • 小麦
  • グルテン
  • w-5グリアジン

グルテンに陽性反応がでた場合は、グルテンを含むいろいろな食物が除去対象となる可能性があります。

 

また、穀物に関しては下記の項目の血液検査が可能です。

 

  • ライ麦
  • 大麦
  • オート麦
  • トウモロコシ
  • そば
  • きび
  • あわ
  • ひえ
  • 麦芽

 

小麦は、大麦、ライ麦、オート麦と交差性がありますので、小麦アレルギーを疑っている場合は、これらの穀物やグルテンを含むものなども参考として合わせて検査することをおすすめします。

※ちなみに、小麦は米とは交差性はないと言われています。

 

アレルギーの検査についてはこちらから♪
アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて

小麦アレルギーの治療は可能なのか?

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小麦アレルギーの治療は、小麦の摂取を控えることが基本です。

その他、低アレルギー食品を徐々に試していく方法もありますが、お医者さんとの相談の上で行わなければいけません。

小麦が含まれている食品

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小麦が含まれているもの

小麦が含まれている食品は多くあります。

わかりにくものもありますので、きちんと把握して避けるようにしましょう。

  • 小麦粉
  • 強力粉(パスタ、パン)
  • 中力粉(うどん、お好み焼き、タコ焼き)
  • 薄力粉(クッキー、ホットケーキ)
  • タンパク加水分解物 (調味料として使用され、小麦が使われているものがある)
  • でんぷん(小麦が原料のものがある)
  • デキストリン(小麦が原料のものがある)
  • 麦芽(麦芽は大麦が使われているものが多いが、一部は小麦麦芽が使われていることもある)
  • 中華麺
  • フラワーペースト
  • カレーのルー

グルテンが含まれているもの

グルテンにアレルギーがある場合は、下記の食物にも注意が必要です。

  • 小麦
  • ライ麦
  • 大麦
  • オーツ麦
  • スペルト麦

 

グルテンフリーの食品についてはこちらから♪
グルテンフリーの食品とは?レシピに欠かせないのは米粉!?

麦茶は除去対象?

麦茶は大麦の種子が原材料となっていますので、小麦のみのアレルギーであれば、本来問題ないのですが、小麦と大麦は交差性がありますので、小麦にアレルギーがある人は、大麦にも反応するケースがあります。

 

小麦アレルギーの方に麦茶はあまりおすすめできません。

小麦の加工食品への表示

小麦が含まれている加工食品には

  • 小麦
  • こむぎ
  • コムギ

のいずれかで表示されています。

ただし、特定加工食品に指定されている食品は、アレルギー物質が含まれていることが明白などの理由により、アレルゲンの表記がなくてもよいというルールとなっています。

また、アレルギー物質の名称や特定加工食品名が加工食品の名称に入っているものも、アレルゲンの表記がなくてもよいとされています。

ということで、小麦、こむぎ、コムギの表記が省略される食品は

  • パン(小麦の特定加工食品)
  • うどん(小麦の特定加工食品)
  • 小麦粉
  • あんぱん(などの”パン”と記載がある食品)
  • 焼きうどん(などの”うどん”と記載がある食品)
  • パン粉

などとなりますので、注意してください。

小麦アレルギーの注意

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加熱しても変わらない

小麦は加熱しても、タンパク質の抗原性に変化がないこと(アレルゲンが弱くならない)がわかっていますので、加熱料理にも十分に注意が必要です。

醤油

醤油に含まれる小麦タンパク質は、醸造の過程で分解されて感度が低くなることから、小麦アレルギーでも、普通の醤油を使っても通常は症状はあらわれないと言われています。

ただし、試す場合には、病院の先生に相談してください。

食品によって症状がでない?

うどんは食べれるのに、パンは食べれない場合があるので、うどんが大丈夫でも小麦アレルギーの場合があります。

アスピリンなどの薬に反応して、症状がでる場合もあるので注意が必要です。

まとめ

小麦アレルギーは除去する食品が多いアレルギーです。

大人になってからも治るケースは少ないため、一度発症してしまった場合は、普段から食品表示をよく確認し、除去できるようにしましょう。

 

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