くるみを食べて蕁麻疹や腹痛などが起きる人は「くるみアレルギー」の可能性があります。
くるみアレルギーはナッツアレルギーの1つではありますが、くるみにアレルギーがあっても、全てのナッツがNGというわけではありません。
カシューナッツなど特に注意が必要なナッツもあります。
また、ピーカンナッツやピーナッツなどとの関係も気になりますよね!
くるみアレルギーの原因や症状、アレルギー検査、対処法、注意点についてご紹介します。
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くるみアレルギー(クルミアレルギー)の原因とは?
くるみ(クルミ)によるアレルギーの原因として考えられるのは、
- くるみの食物アレルギー
- セロトニンによる仮性アレルゲンの症状
- 花粉症による交差性
などがあげられます。
くるみの食物アレルギーの場合
くるみに含まれるたんぱく質「Jug r 1」などがアレルゲンとなり、食物アレルギーを起こすケースです。
仮性アレルゲンの症状の場合
くるみには仮性アレルゲンとなる「セロトニン」が含まれています。
くるみ自体にアレルギーがない人でも、「セロトニン」を多く摂ることで、アレルギーの様な症状があらわれることがあります。
仮性アレルゲンが原因の場合は、免疫を介したアレルギーとは異なるため、一度症状がでても次に食べたときは大丈夫であったりします。
花粉症による交差性の場合
カバノキ科の植物に花粉症がある人は、交差抗原性があるクルミに対してもアレルギーの症状がでる可能性があります。
カバノキ科の主な植物は、
- シラカンバ(シラカバ・白樺)
- ハンノキ
- オオバヤシャブシ
などで、1月~5月にかけて花粉が飛散します。
この時期に花粉症の症状がでる人は、花粉症による影響かもしれません。
※交差性はタンパク質の構造が似ていることから、免疫が間違って似たタンパク質に対しても過剰反応を起こすものです。
カバノキ科のアレルギーであっても、くるみにアレルギーがでない人も多くいます。
くるみアレルギーの症状
くるみによるアレルギーは「ナッツアレルギー」の一つと言われており、食べてからすぐ症状がでる「即時型アレルギー」のケースが多くみられます。
くるみアレルギーの主な症状は、
- 口内や唇、目のまわり、喉などの違和感、腫れ、かゆみ
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 咳、喘息、喘鳴
- 腹痛、胃痛
- 下痢、吐き気
- 湿疹、蕁麻疹
- 皮膚のかゆみ
- めまい、頭痛
- 呼吸困難
- 意識障害
などがあります。
ナッツ類によるアレルギーは、欧米などで多い傾向がありますが、最近は日本でも発症しています。
重篤な場合はアナフィラキシーに陥るケースもあるため、気分が悪くなった際にはすぐに病院へ行くなどの対処が必要です。
アナフィラキシーの詳細についてはこちらから
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
くるみアレルギーの検査
くるみのアレルギー検査は、血液検査(特異的IgE抗体検査)で行うことができます。
また、他のナッツや交差性がある植物花粉などの検査も可能です。
▶ナッツ類の検査項目
- エンドウ
- ピーナッツ
- 大豆
- インゲン
- ハシバミ(ヘーゼルナッツ)
- ブラジルナッツ
- アーモンド
- ココナッツ
- クルミ
- カシューナッツ
- カカオ
▶カバノキ科の花粉の項目
- ハンノキ(属)
- シラカンバ(属)
アレルギー検査の項目は、いくつか選択することも可能ですので、何の項目の検査をするかは医師とよく相談して決めましょう。
アレルギー検査の詳細についてはこちらから
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
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くるみアレルギーは治る?克服できる?対処法は?
くるみをはじめとしたナッツアレルギーなどの食物アレルギーは、一度発症すると治すこと、克服することは難しいと言われています。
幼児期に発症した場合は、小学校にあがる頃までに治るケースもあります。
いわゆる消化機能が発達する過程で自然と治る人もいるということですが、くるみなどのナッツ類の場合は、自然と治るケースは少ないようです。
また、大人になってから発症した場合も治すことは難しくなります。
対処としては、アレルギーがあるとわかったら、基本的には「くるみを食べないこと」が必要となります。
また、他のナッツ類との交差性があることから、他のナッツについても食べられるもの、食べられないものをきちんと把握することが大切です。
くるみアレルギーの注意点
他のナッツに注意
くるみは他のナッツに対しても交差性があります。
クルミと交差性があるナッツは、
- カシューナッツ
- ヘーゼルナッツ
- ブラジルナッツ
です。
クルミにアレルギーがある場合、これらのナッツ類に対してアレルギー反応が起きる危険率は37%と言われています。
ですから、食べる際は十分に注意が必要です。
クルミを食べた際のアレルギー症状が強い人は、他のナッツを食べるときは医師と相談して慎重に行いましょう。
また、上であげたナッツ以外にも、カシューナッツやアーモンドなどはナッツの中でもアレルギーが起きやすいと言われていますので、どのナッツに対しても食べる際は気を付けましょう。
クルミアレルギーだと、ピーカンナッツもダメ?
くるみとピーカンナッツは、見た目がとてもよく似ています。
同じクルミ科の植物ですが、
- 殻の硬さ(クルミは硬い)
- 脂質の量
- 味(クルミは苦味が強い)
などの違いがあります。
また、原産地も異なります。
では、アレルギーついてはどうなのかと言うと、クルミ、ピーカンナッツともに同じアレルゲンタンパク成分「Jug r 1」が含まれているため、いずれかにアレルギーがでる場合は、両方とも症状がでる可能性が高いと思ってください。
クルミアレルギーだと、ピーナッツもダメ?
ナッツアレルギーという言葉には、ピーナッツも含まれていることが多いのですが、
「ピーナッツは木の実ではなく豆」
なんです。
マメ科の植物ですので、同じマメ科のえんどう豆やレンズ豆などに交差性があります。
ですから、クルミアレルギーだとしても
「ピーナッツは食べられる可能性が高い」
と言えます。
ただし、ピーナッツ自体にもアレルギーがあるケースもありますので、注意しつつ食べるようにしてください!
クルミが含まれている加工食品は?
くるみを使った加工食品には、
- 菓子、餅
- バター
- パン
- ドレッシング
- 焼肉のたれ
- つゆ
などがあります。
くるみは「特定原材料に準ずる20品目」に含まれていますので、加工食品にはアレルギー表示が推奨されています。
あくまでも義務ではありませんので、必ず原材料欄をチェックするようにしましょう。
加熱でアレルギー性が強くなる
ナッツ類のアレルゲンタンパク質は熱を加えることでアレルギー性が高まることがわかっています。
ローストナッツなどはアレルギー症状が強くでる危険性があるため、特に注意が必要です。
まとめ
くるみアレルギーについてご紹介しました。
ナッツのアレルギーを発症数は、他の食物に比べると多い方ではありませんが、一度発症してしまうと他のナッツにも注意が必要です。
くるみを食べて調子が悪いかな?と思ったら、まずはアレルギー検査を受けることをおすすめします。
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