以前は珍しいと言われていたアレルギー体質の人は、現在ではかなり増えてきていますよね。
花粉症に至っては、年齢が増すごとに発症する人が激増している現状の中、このようなアレルギー症状をおさえるためには、アレルギーの原因となっている物質「アレルゲン」を特定することが必要です。
アレルゲンは、種類や症状により、
- 食べ物が原因であれば「食物アレルギー」
- 花粉が原因であれば「花粉症」
- ダニ、ハウスダストなどが原因であればや「気管支喘息」「アトピー性皮膚炎」
などとしてさまざまな症状がでます。
アレルゲンがわかっていれば対策が可能となり、アレルゲンを避けた生活を送ることによって、より快適な毎日をすごせるようになります。
ただし、現在のアレルギー検査では、人が持っているアレルゲンを全て特定する検査はありません。
あくまでも、疑わしい物質に対し、アレルギー反応を起こすか否かを判定する検査となります。
アレルゲンは一つとは限りませんので、アレルギー体質の人は普段から症状が悪化した際の行動を振り返り、何と接触したか?または何を摂取したかを、いつも気にするようにしてください。
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アレルギー検査は何科に行けばいいの?
アレルギーの原因はこちらから♪
⇒私たちがアレルギーになった本当の原因は?原因は解明されている!
アレルギー検査ができる病院はいろいろ選べる!
アレルギー検査ができる病院は、
- 皮膚科
- 耳鼻咽喉科
- アレルギー専門の外来(アレルギー科)
- 内科
- 子供の場合は小児科
などです。
内科でも相談すると検査可能なところもあります。
アレルギー専門医がいる病院もありますので、何科に行けばいいのか迷った場合は、自分の症状に合わせて病院を選択するのがいいでしょう。
例えば、鼻炎がある場合は耳鼻咽喉科で、皮膚に湿疹など痒みがある場合は皮膚科、喘息で内科に通っているような場合は内科や小児科で、「アレルギー検査がしたい」旨を伝えてくさだい。
最近は、内科や皮膚科でもよく確認すると「アレルギー科」と記載がある病院も見かけることがありますよ!
もし、かかりつけの病院がある場合は、そこの病院で一度聞いてみてくださいね。
アレルギー検査のために、新たに病院を探す場合は、「アレルギーかもしれないので検査がしたい」と電話で確認してみましょう。
ホームページにアレルギー検査の情報をのせている病院もありますので、事前に検索してみるのもいいでしょう。
アレルギー検査の費用・料金はいくらかかるの?
アレルギー検査の費用は、保険が適用される場合とそうではない場合があります。
保険適用(保険適応)の範囲として、基本的にはアレルギーの疑いがある症状が起きていることが条件となります。
いわゆる、健康診断のように病気ではないものには保険が適用されないということですね。
ですから、
「心配なのでアレルギーの検査をしてみたい。。」という理由では保険が適用されないと言うことです。
あくまでも、
「アレルギーかもしれない症状がでています!」という状態が前提で保険を使用した検査を受けることができます。
また、アレルギーの疑いがある場合でも、保険適用範囲内で検査できるアレルゲンの項目が決まっていますので、どの程度のアレルゲン数の検査をするかによっても、検査の費用は変わってきます。
一般的な血液検査である「特異的IgE抗体検査(RAST)」の費用は
特異的IgE抗体検査(RAST)は5,000円程度の費用(保険適用3割負担の場合)で受けることができます。
また、HRT検査は5項目で2,000円が目安です。
▶1.自分で検査する項目を選ぶタイプ
IgE抗体検査では保険適用で一度に検査できる項目は13項目と決まっています。
この検査では、自分で項目を選ぶことが可能で、費用は約5,000円です。
アレルゲンの項目は約200種類くらいありますので、その中から選ぶことになります。
- 1項目のとき:約800円
- 10項目のとき:約3,800円
- 13項目のとき:約4,800円
※3割負担の場合の金額です。この他に診察料などが加算されます。
検査が可能なアレルゲン全項目についてはこちらでご紹介しています。
⇒アレルギー検査の「特異的IgE抗体検査」対象の全項目とは?
▶2.決まった項目のセットを使うタイプ
「IgE-MAST33」
33項目を一度に検査できるセットです。
この検査では、項目は決められていて自分で選ぶことはできません。
※対象項目は下の方でご紹介しています(MAST33項目)
※3割負担の場合の金額です。この他に診察料などが加算されます。
「Viewアレルギー39」
※以前は36項目を検査する「Viewアレルギー36」でしたが、2016年より3項目プラスされ、”Viewアレルギー39”となりました
39項目を一度に検査できるセットです。
この検査では、項目は決められていて自分で選ぶことはできません。
※対象項目は下の方でご紹介しています(View39項目)
検査費用 Viewアレルギー39:約4,800円(3割負担の場合)
※3割負担の場合の金額です。この他に診察料などが加算されます。
皮膚テストの費用は?
アレルゲンエキスを皮膚に付けて確認する「スクラッチテスト」にかかる費用は、
です。
※3割負担の場合の金額です。この他に診察料などが加算されます。
※対象項目は下の方でご紹介しています(スクラッチ項目)
アレルギーの検査方法
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それではアレルギーの検査法を紹介していきます。
血液検査1(血中抗原特異的IgE抗体検査(RAST))
一般的に行っているのがこの血液検査です。
この検査を行うことでIgE抗体の数値を確認することができます。
IgE抗体とは、免疫反応に関わる抗体で、特定の食物たんぱくにのみ反応します。
特定の物質に対しこの抗体があるとアレルギー症状がでる可能性があるということで、抗体値を確認する検査となります。
確認できる対象項目は約200種と非常に多いため、自分でアレルゲンの疑いがあるものを選択しなければなりません。
例:ハウスダスト、カビ、スギ花粉、そば、卵白、牛肉など。。
※上記の費用の項目で紹介しているように、はじめから項目が選定されているセット検査を受けることも可能です。
ただし、抗体の値が高いこととアレルギー症状の強さは一致するとは限らず、抗体の数値が高くても症状が必ずでるわけではありませんので、この数値のみで判断はできない場合もあるということですが、自分の体に持っている抗体がわかるので、血液検査はアレルギーの指標として有効だと言えます。
IgE抗体の値は0~6の7段階のスコアで分類されます。(括弧内は抗体価 UA/mL)
- 0は陰性 (0.35未満)
- 1は疑陽性(0.35以上0.7未満)
- 2~6は陽性(0.7以上)
病院で検査を受けると、各物質に対するIgE抗体価がわかります。
検査が可能な全項目についてはこちらでご紹介しています。
⇒アレルギー検査の「特異的IgE抗体検査」対象の全項目とは?
特異的IgE抗体検査の項目の選び方
それでは対象項目は何を選ぶべきなのでしょうか。
1.疑わしいもの
もちろん、普段の生活で気になっているものがあれば、優先してそれを選択しましょう。
ex.
- ケーキを食べると湿疹がでる→”小麦かフルーツ?”
- 8月ころになると目の痒みと鼻水がでる→”ブタクサ花粉”
2. 普段からよく食べるもの
疑わしいものはないが、時々アレルギーっぽい症状がでるということであれば、日常的に食べているものを選択しましょう。
また、自分の好物も検査しておくと、その後安心して食べられますよ!
(陽性だった場合はショックですが。。)
ex. 米、小麦、肉類、卵、りんごなど。。
3.アレルギーを引き起こしやすいと言われている食物を選ぶ
何が疑わしいかわからないのであれば、一般的にアレルギーを起こしやすいとされている食物を選択しましょう。
ex.卵、乳、小麦、そば、ピーナッツ、エビ、カニ、大豆、果物
4.花粉症の検査をするときは、飛散時期がかぶっている花粉や交差反応が起きる可能性があるフルーツなども同時に選択しましょう。
ex.
- スギとヒノキ
- ブタクサとヨモギ
など
また、花粉にアレルギーがあると、タンパク質の構造が似ているフルーツにもIgE抗体がある可能性があります。
絶対あるわけではありませんが、気になる方は一緒にフルーツも検査しましょう。
- スギ・ヒノキ花粉 ⇔ トマト
- シラカバ花粉 ⇔ りんご、なし、桃
- カバノキ、ブナ ⇔ りんご
- カモガヤ ⇔ メロン、スイカ
交差反応が起きる可能性がるアレルゲンについてはこちらから♪
⇒ アレルギーの交差反応とは?花粉・果物などの交差抗原性一覧
セット検査の全項目一覧
はじめから決まったセット検査を受ける場合は、対象アレルゲンは下記の項目となります。
「IgE-MAST33」
33項目を一度に検査できるセットです。
検査項目は下記の33項目です。
- コナヒョウヒダニ1
- ハウスダスト
- ネコ皮屑
- イヌ皮屑
- オオアワガエリ
- カモガヤ
- ブタクサ混合物
- ヨモギ
- スギ
- ヒノキ
- ハンノキ
- シラカンバ
- ハルガヤ
- カンジダ
- アルテルナリア
- ペニシリウム
- クラドスポリウム
- アスペルギルス
- ラテックス
- ソバ
- 小麦
- ピーナッツ
- 大豆
- 米
- マグロ
- サケ
- エビ
- カニ
- ミルク
- チェダーチーズ
- 牛肉
- 鶏肉
- 卵白
※ 黄色ラインは、 「IgE-MAST33」と「Viewアレルギー39」で異なるアレルゲン項目です。
「Viewアレルギー39」
39項目を一度に検査できるセットです。
検査項目は下記の39項目です。
- ヤケヒョウダニ
- ハウスダスト
- ネコ皮屑
- イヌ皮屑
- カモガヤ
- オオアワガエリ
- ブタクサ
- ヨモギ
- スギ
- ヒノキ
- ハンノキ
- シラカンバ
- ガ
- ゴキブリ
- カンジダ
- アルテルナリア
- アスペルギルス
- マラセチア
- ラテックス
- キウイ
- リンゴ
- バナナ
- ゴマ
- ソバ
- 小麦
- ピーナッツ
- 大豆
- 米
- マグロ
- サケ
- サバ
- エビ
- カニ
- ミルク
- 牛肉
- 鶏肉
- 豚肉
- オボムコイド
- 卵白
※ 黄色ラインは、 「IgE-MAST33」と「Viewアレルギー39」で異なるアレルゲン項目です。
血液検査2(血中抗原非特異的IgE抗体検査(RIST))
この検査は採血で行われる検査ですが、個々のアレルゲンに対してではなく、アレルゲン全体に対しての抗体値を確認する検査です。
いわゆる「アレルギー体質なのか!」を確認することができます。
上述のRAST検査と一緒に行うケースが多い、IgE抗体をチェックする検査の一つです。
血液検査3(好塩基球ヒスタミン遊離試験(HRT))
血液にアレルゲンを加えたときに放出されるアレルゲン物質「ヒスタミン」の量を確認する検査です。
検査できる対象項目はIgE抗体検査に比べると限られますが、実際にIgE抗体によってアレルギー症状を引き起こすヒスタミンが放出されるかを確認することができます。
ということは、抗体があっても痒みを引き起こすヒスタミンが放出されない場合も確認できるということです。
IgE抗体価が高くても症状がでない場合は、ヒスタミンは少量の放出もしくは放出されていないということですので、この検査で確認がとれます。
また、特定の物質に対しアレルギーの既往歴があるが現在は改善しているような場合、IgE抗体検査では陽性、HRTでは陰性となる症例があります。
IgE抗体検査の項目には無い、ヒト汗抗原の検査が可能です。
全身にアトピーがでるような方は、汗がアレルゲンである場合があります。汗で特に痒くなりやすい人は、一度調べてみるのがよいでしょう。
判定はクラスで5段階にわかれています。
- 0は陰性
- 1は疑陽性
- 2~4は陽性
※HRTは2018年3月末で検査を中止することになったようです。
皮膚テスト
実際に皮膚にアレルゲンを接触させ、反応を見てアレルギーか否かを判定するテストです。
IgE抗体検査より感度の高い検査となりますが、特に「皮内反応テスト」はアナフィラキシーショックを起こす危険性もあるため、医療機関で必要とされた場合に行うテストとなります。
アレルギー専門の外来で受けることができますが、皮膚科では検査できないところもあります。
プリックテスト・スクラッチテスト
アレルゲンのエキスを1滴皮膚にのせて、プリック針で皮膚に小さな傷をつけて、しみこませ観察するテストです。
15分後に腫れがでたら陽性となります。
事前準備として検査前数日間は、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬のクスリの服用を中止しなければなりません。
検査可能なアレルゲンは
- 卵黄
- 卵白
- 牛乳
- エビ
- カニ
- アジ
- イワシ
- カツオ
- サケ
- ブリ
- サバ
- 枝豆
- 落花生
- しいたけ
- タマネギ
- キャベツ
- タケノコ
- ほうれん草
- ニンジン
- ジャガイモ
- トマト
- リンゴ
- 米
- 小麦粉
- そば粉
- イースト
- ダニ
- ハウスダスト
- 綿
- 絹
- スギ花粉
- カモガヤ花粉
- ブタクサ花粉
- 犬毛
- 猫毛
です。
皮内反応テスト
アレルゲンのエキスを皮膚のすぐ下に注射して、15分後の反応を見るテストです。
※このテストはアナフィラキシーショックを起こす危険があるため、プリックテストで様子を確認してから実施する必要があります。
検査可能なアレルゲンは
- クリ
- ナシ
- バナナ
などです。
パッチテスト
アレルゲンの疑いのあるものを、直接皮膚につけて、48時間後の反応を見るテストです。
遅延型(Ⅳ型)と呼ばれるアレルギーに有効な試験です。
※典型的なアレルギーは即時型(Ⅰ型)と呼ばれています。
食物アレルギーの場合の検査法
食物除去試験
アレルゲンの疑いがある食物を1~2週間食べるのをやめて、症状の改善を確認する検査です。
食物経口負荷試験
アレルゲンの疑いのある食物を実際に食べてみて症状がでるかの反応を見る検査です。
実際にアナフィラキシーショックが起きる可能性があるので、重篤な症状が予想される場合は入院での検査となります。
食物アレルギーについてはこちらから♪
⇒食物アレルギーの原因は?アレルゲンとなる食品の種類はなに?
その他の検査
気管支喘息や鼻炎の場合も負荷試験があります。
また、蕁麻疹の場合は、「誘発テスト」を行い、物理的刺激(日光など)に原因があるかを確認する場合もあります。
蕁麻疹の詳細についてはこちらから♪
⇒蕁麻疹の原因と症状、対処法と薬は?アトピーと蕁麻疹は違う?!
まとめ
いろいろな検査法がありましたね。
血液検査は採血し調べる対象を選ぶだけですので、簡単に検査ができます。セット項目を選べば自分で選ばなくても検査ができます。
実際にアレルゲンの負荷をかけるような試験は、本人にも肉体的、精神的に負担がかかりますので、キチンとお医者さんと相談してから実施に踏み切ってください。
春のアレルギーについてはこちらから♪
⇒ 3月、4月、5月のアレルギー・花粉症の原因と症状は?鼻水、涙、目のかゆみには対策が必要!黄砂やPM2.5も飛ぶ!
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