ビールを飲むと、くしゃみが止まらない、湿疹や蕁麻疹がでるような人は「ビールアレルギー」かもしれません。
ビールアレルギーは、「ビールの原材料が原因である場合」と「お酒の分解酵素の強さによるもの」など、いくつかの原因が考えられるアレルギーです。
ビールアレルギーの原因や症状、アレルギー検査、対策についてご紹介します。
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ビールアレルギーってあるの?原因とは?
ビールを飲んでおきるアレルギー症状の原因として考えられるものには、
- 原材料の食物アレルギー
- ヒスタミン・ヒスチジンによるアレルギー様症状
などがあります。
原材料による食物アレルギー
もし、お酒全般ではなく、ビールを飲んだ時のみにアレルギー症状が起きるのであれば、原材料のどれかに食物アレルギーがある可能性があります。
また、今まで大丈夫だったのに突然ビールに対してアレルギーがでるような場合も食物のアレルギーの可能性が高くなります。
ビールに含まれている主な原材料には、
- 麦芽(大麦麦芽、小麦麦芽)
- ホップ(植物)
- 米
- とうもろこし(コーン)、でんぷん(スターチ)
- 糖類等
などがあります。
麦芽のアレルギー
麦芽はほとんどのビールで「大麦」が使用されていますが、「小麦」が使用されているものもあります。
また、大麦と小麦は交差性がありますので、小麦にアレルギーがある場合、大麦にアレルギー反応を起こすケースもあります。
また、「グルテン」は大麦にも含まれています。
ですから、
- 小麦アレルギー
- 大麦アレルギー
- グルテンアレルギー
の人は注意が必要です。
ホップ
ホップはアサ科の植物です。
ホップにアレルギー反応を起こす人もいます。
米
米に対してアレルギーある人は、ビールを飲む際は必ず原材料を確認してください。
ビールの主原料は、麦芽、ホップ、水ですが、副原料として米を使用しているものもあります。
米のアレルゲンタンパク質は複数あり、アレルゲンによって即時型だったり、遅延型だったりとアレルギー症状のでかたが異なります。
遅延型のときはアトピー性皮膚炎などの皮膚の症状を起こすケースもあります。
コーン、スターチ
「コーン」はトウモロコシです。
では、
「スターチの原材料は何?」
と思いませんでしたか?!
スターチは一般的には、
- じゃがいも
- 葛(くず)
- とうもろこし
- 小麦
- さつま芋
- 米
- サゴヤシ
- キャッサバ
などを原料として作られているでんぷんのことです。
ただし、ビールに使用されているスターチは「とうもろこし」らしいです。。。
ですが「コーンスターチ」と書かれていない限りコーンのみであるとは断言できませんので、上記のスターチの原材料にアレルギーがある方は避けた方がいいかもしれません。
その他
ビールではなく、ビールの様なのどごしの「発泡酒」、「第三のビール(新ジャンル)」では、上記以外にも
- 大豆たんぱく
- フルーツ類
- 人工甘味料
などが含まれているものがあります。
なんらかの食物アレルギーがある人は、必ず原材料をチェックしてください!
また、人工甘味料はアレルギー症状を悪化させる原因となるものもありますので、人工甘味料フリーのものを選ぶのがおすすめです。
ヒスタミン・ヒスチジンによるアレルギー様症状
ヒスタミンやヒスチジンなどの仮性アレルゲンが原因の場合は、免疫を介したアレルギーではないため、一度症状がでても次回は大丈夫であるケースもあります。
ビールの仮性アレルゲンによる症状は、アルコールに対する個々の体質にもよりますが、大量に摂取したときにおきる可能性があります。
アルコールアレルギーの場合
アルコールを摂取すると、体内ではアルコールの代謝物質である「アセトアルデヒド」という物質が作られます。
「アセトアルデヒド」は二日酔いを起こす物質として有名ですが、アレルギー物質と呼ばれている「ヒスタミン」を放出するという特徴もあるんです。
ヒスタミンはかゆみやじんましんを起こさせる物質です。
このアセトアルデヒドを分解する酵素「アルデヒドデハイドロゲナーゼ」を持っていない人、少ない人(お酒が弱い人)は、ヒスタミンの放出量も増えることから、アレルギーの様な症状が出やすいと言われています。
いわゆる「アルコールアレルギー」と呼ばれているものですが、実際には免疫を介していないため、アレルギー様症状ということになります。
ですから
分解酵素が少ない人=お酒が弱い人=ヒスタミンがでやすい人
ということになります。
日本人の約5%の人は、アセトアルデヒドの分解酵素を持っていない「アルコール不耐性」であると言われています。
分解できない人は、症状がでやすくなります。
ただし、お酒が強いからと言って飲みすぎるとヒスタミンが多く放出される可能性がありますので、分解酵素がたっぷりある人でもヒスタミンによる症状がでるケースもあります。
ビール酵母が原因の場合
ビール酵母には「ヒスチジン」というアミノ酸の一種が含まれています。
本来であれば体にとって必要な成分なのですが、腸内にいる細菌類の作用によって「ヒスチジン」から「ヒスタミン」が作られることがわかっています。
ですから、過剰摂取により「ヒスタミン」が増えてしまうということなんです。
ヒスタミンは上記のアルコールアレルギー同様に、アレルギーの様な症状を引き起こす物質です。
ビールアレルギーの症状
食物アレルギーの場合
ビールアレルギーで起きる食物アレルギーの主な症状は、
- 湿疹、蕁麻疹、皮膚のかゆみ
- 腹痛、下痢
- 吐き気、嘔吐
- くしゃみ、鼻水、鼻づまり
- 咳、喘息
- 頭痛
- めまい、意識障害
などがあげられます。
食物アレルギーは重篤な場合は、アナフィラキシーを起こすケースもあるため、症状が強くでたような場合はすぐに病院へ行きましょう。
アナフィラキシーについてはこちらから
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
仮性アレルゲンによるアレルギー様症状の場合
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ビール酵母に含まれるヒスチジンやアセトアルデヒドによるヒスタミンの増加による症状には、
- むくみ
- じんましん
- 発赤
- 気管支の収縮(息苦しさ、喘鳴、喘息など)
などがあります。
免疫を介したアレルギーではなくても、仮性アレルゲンが原因となりこのような症状があわられます。
また、アレルギー体質の人はヒスタミンによって、もともとのアレルギー症状が悪化する傾向があります。
ビールアレルギーの検査
病院で検査
ビールアレルギーの検査は血液検査の項目にはありません。
皮膚テスト(パッチテスト)にて検査が可能です。
パッチテストは行っていない病院もありますので、事前に電話などで問い合わせしましょう。
また、食物アレルギーの疑いがある場合は、下記が血液検査(特異的IgE抗体検査・RAST)の検査項目としてあります。
- 小麦
- 大麦
- グルテン
- 麦芽(大麦麦芽)
- トウモロコシ
- 米
アレルギー検査の詳細についてはこちらから
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
自分でチェック
アルコールの強さを自分でチェックする方法もあります。
♦アルコール感受性遺伝子分析キット
自分のアルコール体質をチェックできるキットです。
綿棒で口の中の粘膜を採取したものを郵送すると、アルコール、アセトアルデヒドの分解酵素の強さがわかります。
本当に飲めない体質であれば、
「アルコールアレルギーなんです!」
と飲み会で断る理由にもなりますね!
興味がある方はチェックしてみてください!
公式サイト:『アルコール感受性遺伝子分析キット』
ビールアレルギーの対策
ビールを飲まない
ビールの原材料のいずれかに対する食物アレルギーの場合は、やはりアレルゲンを避けることが必要となりますので、ビールは飲まないようにしましょう。
ビールを飲みすぎない
仮性アレルゲン(ヒスタミン)が原因の場合は、やはり飲みすぎないことが大切です。
体で分解できる量であれば、症状はでない可能性が高いため、
- 量をコントロールする
- ゆっくり飲む
- 分解を助ける食べ物も一緒に摂る
などの工夫が必要です。
アルコールを分解することができない人は、お酒は控えましょう。
アルコールアレルギーの詳細についてはこちらから
⇒アルコールアレルギーの症状と検査とは!治療は可能?お酒を断る理由にもなる!
肝機能を高める
肝臓によいと言われている食べ物を摂りましょう。
- ウコン
- 大豆製品(豆腐、枝豆など)
- カレー
- キャベツ
などです。
ビールとカレーはあまり組み合わせないですね。。
また、肝臓はアルコールを分解するときにタンパク質を必要としますので、卵焼きや魚なんかも向いています!
まとめ
ビールアレルギーについてご紹介しました。
ビールの原材料にアレルギーがある場合は、少量であってもアレルギー症状がでるケースがあります。
体質や体重によって飲める量は異なりますので、特にアレルギー体質の人は自分の許容範囲内で飲むように注意しましょう。
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