エビやカニなどを食べて発症する甲殻類アレルギーは、大人の食物アレルギーでは最も多い原因食物です。
除去しなければいけない加工食品がとてもわかりづらく、日常生活において特に注意が必要な”食物アレルギー”の一つです。
また、今までは食べていたのにある日突然発症するケースもあるため、口の中やその他のアレルギーっぽい症状がでた場合は、アレルギー検査も検討する必要があるかもしれません。
甲殻類アレルギーの症状や原因、アレルギーが起きる可能性がある食物の種類、検査、治療、食品表示についてご紹介します。
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甲殻類アレルギー(えび・かにアレルギー)とは
甲殻類アレルギーは、エビやカニなどの甲殻類を摂取または接触することで、アレルギー症状がでるものです。
食物アレルギーの3大アレルゲンである、卵、牛乳、小麦は乳児、幼児で発症し、年齢があがると症状が緩和されるケースが多いのですが、甲殻類アレルギーは一度発症すると、その後症状が治まるケースは少ないと言われています。
また、成人期で発症するケースも多いアレルギーです。
甲殻類アレルギーの症状
甲殻類アレルギーは即時型アレルギーの発症が多くを占め、甲殻類を摂取または接触してから、1時間以内にアレルギーが発症します。
主な症状は、
- 口内の違和感、かゆみ、腫れ、イガイガ感
- 目の充血、かゆみ、腫れ
- 鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)
- 咳
- 皮膚のかゆみ
- 発疹
- 蕁麻疹
- 腹痛・下痢
- 嘔吐
- 呼吸困難
- 意識障害
- アナフィラキシー
です。
重篤な症状の場合は、呼吸困難や意識障害、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。
また、エビは摂取したあとに、運動をすることで起きる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こす可能性がある食物です。
アナフィラキシーショックについてはこちらから♪
⇒アナフィラキシーの症状とは?起きたときの対応はすぐに!!
甲殻類アレルギーの原因
甲殻類アレルギーは、エビやカニなどに含まれるタンパク質の
- トロポミオシン
が主な原因となって発症します。
「トロポミオシン」は熱に強いため、加熱したとしてもアレルギーを起こすタンパク質の成分量に変化はありません。
ですから、ボイルなどの調理をしていたとしても、アレルギー症状がでる可能性が高いということです。
「トロポミオシン」が含まれているものは、甲殻類だけではありません。
- タコやイカ
- 貝類
- ゴキブリ
- ダニ
にも含まれているタンパク質です。
ただし、エビやカニにアレルギーがあったとしても必ずしも、タコやイカなどにアレルギー症状がでるとは限りません。
甲殻類アレルギーの種類、注意する食材
甲殻類アレルギーで注意が必要なのは、下記の食物です。
主に同じタンパク質を持っている食物です。
- エビ
- カニ
- ロブスター
- タコ
- イカ
- 貝類
- オキアミ
- シャコ
- フジツボ
- カメノテ
エビとカニやロブスターは交差抗原性が!
タンパク質の構造が似ている食物同士では、一方にアレルギーがでると、もう一方にもアレルギー反応を起こす場合があります。
このことを「交差抗原性がある」いうのですが、”エビ”と”カニやロブスター”の間にも交差抗原性があります。
エビにアレルギーがある場合は、カニやロブスターにも症状がでる可能性が極めて高いと言われています。
ちなみに魚類とは交差性はないと言われています。
甲殻類アレルギーの検査
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甲殻類アレルギーは、IgE抗体検査という血液検査と、皮膚のテストで確認することができます。
特異的IgE抗体検査
採血を行い、甲殻類のタンパク質に対して抗体があるか、抗体値がどの程度かを確認する検査です。
血液検査で確認可能な甲殻類、軟体動物、貝類は下記です。
- エビ
- カニ
- ムラサキイガイ(ムール貝)
- イカ
- タコ
- ロブスター
- アサリ
- カキ(牡蠣貝)
- ホタテ
エビの抗体値が高いとカニも高い傾向があります。
皮膚テスト
アレルゲンエキスを皮膚に接触させて反応を確認する、「プリックテスト」、「スクラッチテスト」があります。
検査可能なアレルゲンは、
- エビ
- カニ
です。
アレルギーの検査についてはこちらから♪
アレルギーではない場合も
カニやエビ、イカ、タコは鮮度がおちると、「ヒスタミン」というアレルギーに似た症状を起こす物質が増えてきます。
この物質が原因になり、蕁麻疹が発症する場合があります。
このヒスタミンが原因で蕁麻疹が起きる場合は、アレルギーではない可能性もあります。
甲殻類アレルギーの治療
アレルゲンであるカニやエビ、イカなどをさけることが必要です。
また、アレルギーを抑える薬を飲むこともできます。
アレルギーの薬はこちらから
⇒アトピー性皮膚炎に効く「飲み薬」の種類と副作用
甲殻類が含まれる加工食品とは?かまぼこにも注意!
甲殻類を使用した加工食品は一見わかりづらいものが多いので、食品表示を必ず確認しましょう。
- ちりめんじゃこ
- しらす
- かまぼこ
- ちくわ
- えびせん
- えびせんべい
- イカフライ
- イカ墨
などがあげられます。
甲殻類の加工食品表示
えび、かには特定原材料7品目として、加工食品への表示が義務付けられている食物です。
また、いかについては表示が勧められている食物です。
- えびは、えび・エビ・海老
- かには、かに・カニ・蟹
- いかは、いか・イカ
と表示されます。
アレルギーがある場合は、必ず食品表示を確認しましょう。
まとめ
大人になってから、突然甲殻類アレルギーが発症するケースも多くあります。
エビやカニは皮を剥く際にも接触することになりますので、注意してください。
アレルギーになる本当の理由はこちらから♪
⇒私たちがアレルギーになった本当の原因は?原因は解明されている!
食物アレルギーについてはこちらから♪
⇒ 食物アレルギーの原因は?アレルゲンとなる食品の種類はなに?
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