お店のカレーを食べると蕁麻疹がでる、下痢が続くなど、特定のお料理で体調が悪くなるような人は「香辛料アレルギー・スパイスアレルギー」の可能性があります。
香辛料は他の食品に比べ、アレルゲンであることが特定しにくい食物アレルギーです。
日本国内で発症しているケースもありますが、まだまだ認識されていないアレルギーなんです。
ただし、辛いものを食べて汗がとまらないようなケースはアレルギーではありません!
香辛料アレルギー・スパイスアレルギーの原因や症状、アレルギー検査、スパイスの種類、治療法などについてご紹介します。
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香辛料アレルギー、スパイスアレルギーの原因
香辛料(スパイス)のアレルギーは、日本では発症例が少ない食物アレルギーとされています。
一方海外では香辛料を使う料理が多いため、食物アレルギーを起こすアレルゲンとして認知度は高いと言います。
日本でも、最近は外食・中食・内食に関わらず香辛料を使ったお料理が多くなってきたことから、実際にアレルギー症状を起こす人も少しずつですが増えています。
香辛料アレルギーはセリ科のスパイスが特に発症例が多いと言われています。
香辛料(スパイス)アレルギーの原因としては、
- 香辛料自体のアレルギー
- 他の食物花粉などによる交差性
が考えられます。
ただし、香辛料を多く使ったカレーなど「辛いものを食べると汗が止まらなくなる」という状態は食物アレルギーではありません。
「味覚性多汗症」というもので、交感神経が活発になることから体温の上昇を抑えるために発汗が促がされ、汗がドバ~っとでるんです。
手術の後遺症などのでこのような状態になる人もいるそうですが、普通の健康だと思われる人については、原因はわかっていないとのことです。
もし、発汗だけではなくめまいや咳などの症状が一緒にでるようであれば、アレルギーかもしれません。
香辛料自体のアレルギー
香辛料自体にアレルギーを起こす食物アレルギーです。
他の植物や花粉による交差反応
香辛料自体の抗体がない場合でも、同じ科の野菜や花粉などのアレルギーがある場合に、交差反応を起こすケースです。
いわゆるアレルゲンとなるタンパク質の形が似ていることから、野菜などにアレルギーがあるときに、香辛料にもアレルギー反応を起こしてしまうケースです。
現在交差性がわかっているものは、
▶シラカンバ花粉(白樺花粉)にアレルギーがある場合
- マスタード
- パプリカ
- コリアンダー
- 唐辛子
- 白胡麻
▶ヨモギ花粉
- コリアンダー
- クミン
- マスタード
▶セロリ・にんじんなどセリ科の野菜
- セリ科のスパイス
などがあります。
香辛料(スパイス)は種類が多いため、交差性などを含めたアレルゲン物質の詳細についてもわかっていないことが多いのが現状です。
香辛料アレルギー、スパイスアレルギーの症状
香辛料(スパイス)によって起きる主なアレルギー症状は、
- 腹痛、下痢
- 嘔吐、吐き気
- 湿疹、蕁麻疹
- 口内や口のまわり、目のまわりなどの腫れ、かゆみ、痛み
- 咳
- 鼻水、鼻づまり
- くしゃみ
- めまい・頭痛
- 喘息、喘鳴、呼吸困難
- アナフィラキシー
などがあげられます。
スパイスを食した時に限らず、粉状のものの吸引により発症しているケースもあります。
交差性が原因の場合は、口内や口のまわりなどの症状がでる「口腔アレルギー症候群」の症状がでやすくなります。
実際にアナフィラキシーを起こしている人もいますので、他の食品と同じように、アレルギー症状が強くでた際には、すぐに医師に診てもらいましょう。
アナフィラキシーの詳細についてはこちらから
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
代表的な香辛料・スパイスの種類
香辛料の種類はたくさんあります。
もしアレルゲンと疑わしき香辛料があるのであれば、同じ科のものを食べる際は注意をするようにしましょう。
代表的なものをご紹介します。
▶セリ科
フェンネル、コリアンダー(パクチー)、チャービル、ディル、ディルシード、セロリー、キャラウェイ、クミン、パセリ、アニス、アジョアン、三つ葉
▶アブラナ科
わさび、マスタード、ホースラディッシュ、ルッコラ
▶キク科
カモミール、タラゴン、ヨモギ
▶ナス科
パプリカ、シシトウ、唐辛子
▶ショウガ科
生姜(ジンジャー)、ミョウガ、ウコン(ターメリック)、カルダモン、ガランガル
▶シソ科
紫蘇、バジル、ミント、セージ、マジョラム、レモンバーム、ローズマリー、ラベンダー、タイム、オレガノ、サボリー
▶コショウ科
胡椒、ロングペッパー
▶ニクズク科
ナツメグ、メース
▶クスノキ科
ローレル、シナモン
▶モクレン科
スターアニス
▶ミカン科
山椒、花椒、陳皮、ゆず、カフェライム、カレーリーフ
▶フトモモ科
クローブ、オールスパイス
▶ユリ科
ニンニク、タマネギ、エシャロット、ネギ、アサツキ、ワケギ、タマネギ、ニラ、ラッキョウ、チャイブ
▶イネ科
レモングラス
▶マメ科
フェヌグリーク、甘草(かんぞう)
▶アヤメ科
サフラン
▶ラン科
バニラ
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香辛料アレルギー、スパイスアレルギーの検査
香辛料のアレルギー検査については、血液検査で一部の食品のみ行うことができます。
▶血液検査(特異的IgE抗体検査・RAST)で検査が可能な項目
- 胡麻
- マスタード
- にんにく
- 玉ねぎ
- パセリ
- セロリ
▶交差性の可能性があるセリ科の野菜の検査項目は、
- ニンジン
▶交差性のある花粉の項目
- ハンノキ(属)
- シラカンバ(属)
- ヨモギ
- ニガヨモギ
香辛料自体の血液検査の対象項目が少ないことから、皮膚テスト(プリックテストなど)にて検査をしてくれる病院もありますので、アレルギー科の医師に相談してみましょう。
アレルギー検査の詳細についてはこちらから♪
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
香辛料アレルギー、スパイスアレルギーは治療できる?
香辛料をはじめとした食物アレルギーは、一度発症すると治すのは難しいと言われています。
ですから、治療はあくまでも、アレルギーを発症した際に症状を抑えるための対症療法となります。
抗ヒスタミン剤やステロイド外用薬など、症状別に薬が処方されます。
アレルギーを発症してしまったら、基本的には「アレルゲンを除去食とすること」が必要となります。
香辛料は他の食物よりもアレルゲンとして特定することが難しいことから、除去するのも難しい食品と言えます。
ですから、香辛料が多く含まれているようなお料理には特に注意が必要です。
香辛料のアレルゲン除去はとにかく難しい
香辛料は他の食物に比べると、アレルゲンとして認識することがとても難しいと言えます。
その理由としては、加工食品への表示が徹底されていない点です。
加工食品への原材料の表示にはいくつかのルールがあります。
- 香辛料の総量が、原材料全体に占める重量の割合の2%以下の場合、各香辛料の名称ではなく「香辛料」または「混合香辛料」と記載できる
- 小型容器包装入り(容器の表示面積が小さいもの)の場合は、香辛料の総量が原材料全体の2%以上であっても、個々の香辛料の重量が2%以下の場合は「その他の香辛料」と記載できる
これらのルールから、個別の香辛料の名称の記載がされていないものがあるんです。
簡単に言うと、少量しか含まれていないのであれば、「香辛料」という記載に全てにまとめられてしまうということです。
香辛料は香りと刺激が強いことから、1つの食品に対して大量に使用するものではないことが、原材料としての記載が省かれてしまう理由と言えます。
もちろん、少量の摂取であれば、たくさん食べたときに比べるとアレルギーを起こす危険性は低くなるかもしれませんが、少量であってもアレルギー症状を起こす場合だってあるのでは?
と思ってしまいます。
ある食品を食べてアレルギー症状がでたとしても、「香辛料」表示だけでは何がアレルゲンなのか特定しにくいですよね。
このような理由もあり、私自身「ナツメグ」にアレルギーがあるようですが、「ナツメグアレルギー」であると自覚するまでに長い時間かかりました。
特定ができにくいアレルゲンはとても怖いものです。
わたしのように食物アレルギーがある人は普段から外食時などは特に気を付けてくださいね!
まとめ
香辛料アレルギーについてご紹介しました。
香辛料の種類が多いことや、何が含まれているお料理なのかがわかりにくいことから、アレルゲンの特定が難しい食物アレルギーです。
なんらかの料理を食べるたびに体調が悪くなる場合は、もしかしたら香辛料が原因の可能性があると疑うことも大切です。
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