アトピー性皮膚炎は皮膚の炎症を繰り返すことで、湿疹、かゆみなどを伴う病気です。

なかなか治らないことで、悩んでいる人も多くいます。

 

そんなアトピーの症状を改善する新薬「デュピクセント」が2018年に1月19日に、厚生労働省によって製造販売が承認されました。

 

  • デュピクセントとはどんな薬なのでしょうか?
  • 本当に症状に対する効果があるのでしょうか。
  • そして誰でも治療を受けることができるのでしょうか?

そんな疑問についてご紹介します。

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デュピルマブ(デュピクセント)とは?2018年に承認!

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2018年に1月19日に正式に承認された、「デュピクセント皮下注」は一般名を「デュピルマブ」と言います。

「サノフィ」という会社で作られている薬です。

 

デュピクセントは、IL-4とIL-13の作用伝達を阻害する働きがある抗体です。

「ん?なんのこっちゃ?」と思った方もいますよね。わかりやすく説明すると、

 

いわゆる免疫システムの細胞から分泌されるタンパク質の情報伝達をする働きを阻害してしまうことで、免疫の異常反応を抑えることができる薬なんです。

 

そもそもアトピーは、慢性的に繰り返し起こる湿疹のことをさします。

アトピーの症状が起きるときに、IL-4とIL-13の働きが大きく関係していることがわかっています。

このタンパク質(IL-4とIL-13)の情報伝達を阻害すると、皮膚の過剰反応が抑えられることで皮膚の炎症が軽減されていくというしくみです。

デュピルマブ(デュピクセント)の効果

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では、実際にどのくらいアトピーの症状が改善されるのでしょうか。

実はデュピクセントは日本での正式承認よりも早く、米国、欧州では2017年にすでに承認されている薬です。

 

薬の効果を示すデータはさまざまなのですが、デュピクセントを販売している「サノフィ」のデータによると、シクロスポリン(免疫抑制剤)を使用しても効果がでない人を対象に試験を行ったところ、

 

▶湿疹面積と重症度指数の変化率比較では、

  • デュピルマブ+ステロイドでは、79%の症状改善
  • プラセボ+ステロイドでは、47%の症状改善

という結果がでています。

あきらかに、デュピルマブを使用した方が症状の改善率が高く、効果が期待できる結果となっています。

デュピルマブ(デュピクセント)で、アトピーは根治しない?

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「デュピクセント」のしくみやステロイドなどの治療よりも効果的であるとお話ししましたが、この治療はアトピーの症状がおきる原因となっているタンパク質への情報を阻害して症状を抑えています。

この効果は治療をやめるとなくなってしまいます。

 

ですから、あくまでも今までのアトピー治療と同様、対症療法なんです。

 

効果を持続させるためには、継続してデュピクセントを使用しなければいけないということです。

 

もちろん、繰り返し起こる炎症を一度ある程度の状態まで改善させることで、症状が重い人の場合は大きい改善につながるケースはあると思います。

ですが、アトピーの症状がでる根本の原因を断ち切っているわけではありません。

 

デュピルマブ(デュピクセント)の治療が受けられる人とは?

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「ステロイド外用薬」、「タムロリムス外用薬(プロトピック)」などの薬では、症状を抑える効果が不十分であるとされた人がこの治療を受けることができるとされています。

 

多くのアトピーの人が治療対象になるのでは?!

 

と思いがちですが、「デュピクセント」はステロイドやプロトピックなどの薬に比べると、とても高価なんです。

 

ですから、ステロイドやプロトピックなどの外用薬で、ある程度症状が抑えられる患者さんよりは、やはり中等症、重症のアトピーがある人が対象となりそうです。

 

アトピーの症状が重い人は、普段からの皮膚の炎症やかゆみで、日常生活にも支障をきたしている場合があります。

睡眠不足から始まり、鬱などの症状にいたるケースもありますので、まずは本当にきびしい症状の方の味方にはなってくれればいいなと思います。

 

デュピルマブ(デュピクセント)での治療内容

病院のイメージ画像

デュピクセントは皮下注射をして使う薬です

そーなんです、服用タイプではないんです。

そう効くと、飲み薬より明らかにハードルが高いと感じる人も多いと思います。

 

治療方法としては、

  1. 初回に600mgを皮下投与
  2. その後1回300mgを2週間おきに皮下投与
  3. 16週までに治療反応が見られる

ということですので、2週間おきに通院が必要となります。

ただし、今後自己注射ができるように変更になる可能性があるとのことです。

 

また、治療中はステロイド外用薬との併用ができます。

 

価格は今の段階では1か月あたり数万円程度と言われています。

ちょっと高すぎですので、やはり症状が重い人が対象になりそうですね。

まとめ

「デュピクセント」はアトピー治療としては、画期的な薬であると言えますが、皮下注射であること、高額であること、そしてあくまでも対症療法ということを考えると、まだまだハードルが高い治療であるように感じます。

 

ステロイドやプロトピックは継続して使用すると、リバウンドをはじめとしたさまざまな副作用がでるケースがあります。

その点も考えると、症状が重く、寝れない毎日を送っている人には、「デュピクセント」はとても期待すべき薬だと言えるでしょう。

 

また、ステロイドを長年使用していて、ステロイド中毒による症状に苦しんでいる人には、徐々にステロイドの量を減らすことができるかもしれません。

以前、私自身もステロイドの離脱症状で大変なリバウンドを経験していますので、脱ステロイドの助けとなる治療の一つとなってくれることも期待します。

 

 

わたしは、長年アトピーで、抗ヒスタミン剤の服用とステロイド、プロトピックの塗り薬を使っています。

色々な民間療法も効いているのか、今は症状が治まっているときもあり、それなりに自分で症状をコントロールできている状態です。

現在一か月の薬代は5,000円前後です。

今のわたしの症状では、一か月あたり数万円かかり、注射が必要な治療を受けようとは思いません。

 

たまに痒くて寝つけない日もありますが、やはりこの程度の症状のわたしにはハードルが高いなと感じてしまいます。

 

もう少し受けやすい治療、薬であるとありがたいと思ってしまいます。

今後の治療結果や使いやすさの改善にも期待したいと思います。

 

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