普段飲んでいる鮮やかな色をした飲み物、食べ物の色のもとは着色料かもしれません。
着色料に限らず私たちが食べている食品に含まれている食品添加物って、
実はアレルギーを引き起こすことがあるんです!
着色料の一種であるコチニール色素はアレルゲンとなるタンパク質を含むことがわかっている食品添加物です。
着色料アレルギー、コチニール色素アレルギーの原因や症状、アレルギー検査、対策についてご紹介します。
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着色料アレルギーの原因は
わたしたちが普段から食べている加工食品には、さまざまな食品添加物が含まれています。
着色料は食品添加物の一種であり、食品の色を鮮やかにすることが目的で添加されています。
着色料というと、アレルギーというよりは
「体への影響は大丈夫?」
という点に着目されることが多いように感じます。
食品添加物の安全性を説明した著書なども多く販売されていますし、動物実験ではOKであっても長期間摂取したときの人体への影響がグレーなものも多くあります。
では、着色料を摂ることで起きる食物アレルギーについてはどうなのか?
という点についてお話していきます。
着色料であってもアレルギーを発症するケースは多いにありますし、実際にアナフィラキシーを起こした例などの報告もされています。
着色料には合成着色料、天然着色料があり、「天然」と言われると体によいような気がしてしまいますが、天然のものにはその原料となる物質の成分が含まれています。
いわゆる着色料に加工された後でも、原材料となっているもののタンパク質が微量でも残留していれば、アレルゲンとなる可能性があるということです。
そして、多くの着色料の中でも、原材料のタンパク質が比較的多く含まれアレルギーについて注意しなければいけないと言われているものに
「コチニール色素」
があります。
コチニール色素アレルギー
2012年5月に消費者庁は「コチニール色素に関する注意喚起」を発表しています。
コチニール色素が含まれている飲料でアナフィラキシーの症状がでたケースがあるということなんです。
今般、コチニール色素を含む飲料と急性アレルギー反応(アナフィラキシー)に関する国内の研究情報が消費者庁に提供されました。
これまで、独立行政法人国民生活センターや地方自治体の消費生活センター等には、コチニール色素を原因とするアレルギー症状の事例は寄せられていません。一方、コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、アナフィラキシーを引き起こしたと推定される事例が、1960年代から数にして20ほどの論文等で報告されています。
急性のアレルギーを発症した場合、呼吸困難などの重篤な症状となる可能性もあるため、消費者庁として注意喚起を行います。
万が一、コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、かゆみなどの体調の変化を感じた場合は、すみやかに皮膚科やアレルギー科の専門医を受診してください。
引用元:消費者庁
コチニール色素って何?
コチニール色素は、天然の着色料の一種です。
飲料やジャム、飴、ゼリー、ハムやウインナー、かき氷のシロップなどをはじめとしたさまざまな加工食品に含まれており、「赤紫色」に着色するための食品添加物となります。
また、口紅などの化粧品の着色や医薬品、医薬部外品にも使用されています。
コチニールは、南米に生息する「コチニールカイガラムシ(カイガラムシ科のエンジムシ)」を乾燥させて、お湯またはエチルアルコールで抽出したものです。
サボテンに寄生する虫なんです。
「えっ、虫。。。。?!」
そうなんです。
ちょっとこわいですね。
また、表記する際にはいくつかの名称があり、
- コチニール
- コチニール色素
- カルミン酸
- カルミン
- カルミン酸色素
などと表示されています。
食品添加物としては体への影響の関し安全であると言われていますが、さまざまな著書では安全性は「グレー」とも言われています。
このコチニール色素には、アレルゲンとなるタンパク質が含まれていることから、食べたり吸い込んだり、接触した際にアレルギー症状が起きるケースがあるんです。
コチニール色素で着色されているカンパリオレンジを飲んでアナフィラキシーを起こしたケースがあるほか、口紅、マスカラ、アイシャドウなどに対してもアレルギーの陽性反応を起こすケースもあります。
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コチニール色素アレルギーの症状とは?
コチニール色素による主なアレルギー症状は、
- 咳、喘息などの呼吸器の症状
- 鼻水、鼻づまりなどの鼻炎
- 目のかゆみ、腫れなどのアレルギー性結膜炎
- 蕁麻疹、湿疹
- 胃痛、下痢などの消化器の症状
- アナフィラキシー
などがあげられます。
コチニール色素を食品として摂取したときの他、化粧品などを皮膚に塗った際にも起きる可能性があります。
また、コチニール色素・カルミンを取り扱う作業を行っている人(化粧品の工場や着色料を作っている工場でのお仕事の方など)は、吸引による呼吸器や鼻炎などの症状がみられるようです。
アナフィラキシーを起こした例もありますので、気分が悪くなった際にはすぐに病院での受診が必要となります。
アナフィラキシーの詳細についてはこちらから♪
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
着色料アレルギーは検査できる?
コチニール色素をはじめとした着色料のアレルギー検査は、血液検査(特異的IgE抗体検査)の項目にはありません。
ただし、天然着色料の場合は、原材料となっている食物が検査項目にあれば検査することは可能です。
また、病院によっては皮膚テストを行ってくれる場合もあります。
アレルギー症状の原因と思われる食品や化粧品などを持ち込み、それを皮膚につけた際のアレルギー反応を見ることができます。
アレルギー検査は皮膚科、アレルギー科、耳鼻科、小児科などで受けることができますが、皮膚テストはどこの病院でも行っているわけではありませんので、事前に電話などで検査が可能か確認するようにしましょう。
アレルギー検査の詳細についてはこちらから♪
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
着色料アレルギーの対策
アレルギーがでてしまったら、まずはアレルゲンの特定をすることが大切です。
ただし、着色料については採血によるアレルギー検査ができないこと、また加工食品にいろいろなものが含まれていることなどから、アレルゲンの特定が難しいのが現状です。
まずは、アレルギー症状がでた食品、化粧品などは食べない、使用しないことを徹底しましょう。
食物アレルギーは一度発症すると根治することは難しいと言われています。
病院では、症状を抑えるために飲み薬(抗ヒスタミン剤)や塗り薬(ステロイド外用薬)などが処方されます。
まとめ
着色料、特にコチニール色素のアレルギーについてご紹介しました。
着色料は体への影響がはっきりしていないものも多くありますので、普段から食べる加工食品は特に原材料欄をチェックし、選択することが大切です。
天然材料だからと言って一概によいわけではなく、アレルギー体質の人にとっては、アレルゲンとなる可能性があることを認識するようにしましょう。
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