「好き嫌いかな?と思っていたら、実は食物アレルギーだった」
なんてこと、お子さんの場合は、結構あるんです。
子どもの食物アレルギーは、親が気づいてあげないと、わからない場合も多くありますので、日ごろからお子さんのサインを見逃さないように注意することが大切です。
また、アレルゲンとなる食べ物が特定できていないと、症状が悪化した場合の対処も遅れますので、食べ物に対してアレルギー症状を感じたら、必ず検査を受けることをおすすめします。
子供の食物アレルギー、検査の種類と費用についてご紹介します。
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食物アレルギーとは?
食物アレルギーは、食べ物によって引き起こされるアレルギー症状のことを言います。
食物アレルギーには、いくつかの種類があります。
- 即時型アレルギー
- 食物依存性運動誘発アナフィラキシー
- 口腔アレルギー症候群
- 新生児・乳児消化管アレルギー
- 食物アレルギーが原因でおきるアトピー性皮膚炎
などです。
いずれの場合も、アレルゲンとなる食べ物が原因となり起きる症状です。
即時型とは?
即時型の場合は、アレルゲンとなる食べ物を摂取してから2時間以内に症状があらわれます。
重篤な場合はアナフィラキシーを起こすこともありますので注意が必要です。
即時型の食物アレルギーは、生まれてすぐから発症する可能性があります。
また、幼児期にアレルギーを発症しても、食べ物によっては年齢があがると自然に治るケースもあります。
卵や牛乳、小麦は小学生以降になると治るケースがありますが、ピーナッツやそば、甲殻類などは治りにくく大人になってもアレルギーをもったままの人が多いと言われています。
食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは
アレルゲンとなる食べ物を食べてから4時間以内に、運動をすることによってアレルギー症状がおきアナフィラキシーを引き起こすものです。
アレルゲン摂取+運動
の組み合わせがあった場合にのみおこり、普段はその食べ物を食べていても症状がでないのに、運動したときのみに起きるという厄介なアレルギー症状です。
小学生くらいから発症しやすく、お昼ご飯の後の体育の授業で症状がおきるケースが多くみられます。
アナフィラキシーを起こす危険性が高いことから、アレルゲンの特定はとても重要となります。
口腔アレルギー症候群とは
口腔アレルギーは、口のまわりや口の中の腫れやイガイガ、かゆみなどがでるアレルギーです。
果物や野菜で発症しやすく、花粉症が原因となる交差反応の可能性もあります。
症状が強い場合はおなかをこわすような場合もありますが、主に口の中の症状でおさまるケースが多くみられます。
小学生くらいからの発症が見られます。
新生児・乳児消化管アレルギーとは
生まれてから1歳くらいまでの間にみられるアレルギー症状で、主に下記のような消化器の症状があらわれます。
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
原因となるアレルゲンは、牛乳、乳、母乳、米、大豆などで粉ミルクが圧倒的多いと言われています。
非即時型のアレルギーであるため、診断・検査が難しいアレルギー症状です。
食物アレルギーが原因のアトピー性皮膚炎とは
小学校にあがる前くらい(0~6歳ころ)までにでる症状で、食べ物がアレルゲンとなり頭や顔に湿疹があらわれます。
原因となるアレルゲンは、卵や乳、小麦、大豆などがあげられます。
食物アレルギーの症状
食物アレルギーは皮膚の症状がでるケースが多いのですが、消化器や呼吸器など食べたものや人によって起きる症状はさまざまです。
アナフィラキシーが起きた場合は、すぐに対処が必要になります。
皮膚の症状
- かゆみ
- 腫れ、むくみ、赤み
- 蕁麻疹・湿疹
呼吸器の症状
- 咳や喉のイガイガ
- 喘鳴
- 呼吸困難
目、口、鼻の症状
- 口の中、唇のかゆみ、痛み、腫れ
- 目の充血、かゆみ、腫れ
- 鼻水、鼻づまり、くしゃみ
消化器の症状
- 嘔吐、吐き気
- 腹痛、下痢、血便
その他の症状
- 頭痛
- 意識症状
- 血圧低下
- アナフィラキシー
- アナフィラキシーショック
食物アレルギーの検査の種類と費用は?
食物アレルギーを確認するためには、まずは病院での診察が必要になります。
そしていくつかの検査方法があります。
血液検査
血中抗原特異的IgE抗体検査
アレルゲンの可能性がある食べ物に対して、血液中の特異的IgEの抗体値を測定する検査です。
この抗体値が高くなると、アレルギー症状がおきる可能性が高くなります。
即時型のアレルギー対象の検査です。
血中抗原特異的IgE抗体検査の費用は?
IgE抗体検査は疑わしい食物を選んで抗体値を確認します。
一度に検査できる項目は保険適用では最大13項目までです。
選ぶ項目については、医師とよく相談して決める必要があります。
目安の検査費用は3割負担で下記となります。この他に診察料などが加算されます。
- 1項目のとき:約800円
- 10項目のとき:約3,800円
- 13項目のとき:約4,800円
※検査料が1,570円、一項目につき1,100円かかります
検査項目については下記でご紹介しています。
⇒ アレルギー検査の「特異的IgE抗体検査」対象の全項目とは?
皮膚テスト
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プリックテスト
皮膚に傷をつけて、アレルゲンエキスを垂らし、皮膚の膨疹の大きさを確認するテストです。
大きさの度合いを確認して陽性か否かを判断します。
血液検査では特定できなかったアレルゲンーも判定できる場合があります。
即時型のアレルギーの検査ができます。
プリックテストの費用は?
プリックテストの費用は3割負担で下記となります。この他に診察料などが加算されます。
▶食物アレルギーによるアトピー性皮膚炎で乳幼児がうける場合
1項目あたり:420円
▶口腔アレルギーのアレルゲンを特定する場合
1項目あたり:160円
食物除去試験
即時型の食物アレルギーの場合は、上記のIgE抗体検査もしくは皮膚テストである程度確認ができますが、非即時型の場合はすぐに症状があらわれないため、まずはアレルゲンの特定をしなければなりません。
「もし、一昨日に食べたものでアレルギー症状がでているとしたら?」
想像してみてください。特定はとても難しいと思いませんか!
ですから、このような場合に疑わしい食べ物を1~2週間完全除去することで判断&アレルゲン特定をする試験です。
食物負荷試験
食物負荷試験は、アレルゲンとなる食べ物を少量から複数回実際に食べてみることで、症状の有無や重さを確認する試験です。
この試験をするのは以下の目的があります。
- アレルゲンとなる食べ物が特定できないとき
- アレルゲンを除去してきたが、もう食べれるようになっているかもしれないとき
- アレルゲンを少量摂った場合にも症状があらわれるかを確認するとき
などがあります。
“1”は、他の検査ではアレルゲンとなる食物が特定できないようなときに行います。
“2”は、幼児期から除去していたアレルゲン食物が成長により耐性ができて食べることができるようになっているかもしれないような場合に行います。
“3”は、アレルゲンの量と症状の度合いによる危険性を確認するような場合です。
- 少量なら大丈夫なのか?
- 続けて毎日食べるとどうなのか?
- どの程度の量でどのような症状がでるのか?
などのチェックを行います。
この試験はアナフィラキシーを起こす危険を伴うことから、”試験後の状態を一定時間みてから帰宅する場合”と”完全入院で行う場合”があります。
食物負荷試験の費用は?
食物負荷試験の費用は、3割負担で下記となります。この他に診察料などが加算されます。
受ける項目や入院なのか通院なのかによっても金額が変わってきます。
1回の検査あたり:2万~4万円
検査は何歳から受けれるの?
アレルギー検査が受けられる年齢にはっきりとした制限はありません。
赤ちゃんからでも検査は受けられるのですが、生後6か月未満の場合は血液検査では正確に抗原が検出できない項目もあるため、事前に医師と相談してください。
小児科、皮膚科、耳鼻科、アレルギー科のいずれかで検査を受けることができます。
病院によってはアレルギー検査は行っていないところもありますので、事前に電話かHPで確認をしましょう。
子どもの医療費助成制度
アレルギー検査や日々のアレルギーの治療などには、結構な費用がかかります。
自治体によっては、子供の年齢や親の所得制限などで一概には言えませんが、医療費が無料または一部負担などの制度がありますので、一部負担の地域にお住まいの方はきちんと確認することで、負担額が減るかもしれません!
まとめ
子供の食物アレルギーと検査の種類、費用についてご紹介しました。
食物アレルギーは即時型の場合は比較的アレルゲンを特定しやすいのですが、非即時型のケースもありますので、アレルギー体質の方や食物アレルギーを疑っているような場合は、普段から「食物日誌」などの食べたもののメモをつけることが大切です。
お子さんの場合は、今後除去が必要になる食べ物がでてくる可能性があります。
好き嫌いではなく、実は口腔アレルギーだったようなケースもよくありますので、ちょっとしたサインも見逃さずに普段からの食事ケアを心がけましょう。
食物アレルギーの治療についてはこちらから♪
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