エビを食べたら、蕁麻疹や湿疹がでた、お腹をこわしたなどの症状がでたら「エビアレルギー」かもしれません。
エビなどの甲殻類のアレルギーは大人になってから発症する人も多く、今まで食べていたのにある日突然アレルギーを発症することがあります。
また、甲殻類全般にアレルギーが起きるようになる人もいるため、エビアレルギーの人は気を付けなければいけない食品が多くあります。
エビアレルギーの原因や症状、検査、薬や対処法、かっぱえびせんやしらすなどの注意点についてご紹介します。
スポンサーリンク
エビアレルギーの原因
エビの食物アレルギーの原因として考えられものには、
- 甲殻類共通のアレルゲン
- エビ特有のアレルゲン
- 仮性アレルゲンによる症状
があります。
甲殻類共通のアレルゲンが原因
「トロポミオシン」は甲殻類や軟体動物共通のアレルゲンタンパク質です。
この成分にアレルギーがある場合は、エビだけではなく他の甲殻類にもアレルギーを起こす可能性があります。
また、軟体動物に含まれる「軟体動物トロポミオシン」やダニやゴキブリが持っている「トロポミオシン」に対しても「甲殻類トロポミオシン」は交差性があることから、イカやタコ、貝類にも注意が必要となります。
▶「トロポミオシン」が含まれるものとしては、
- エビ — 甲殻類
- イセエビ — 甲殻類
- ザリガニ — 甲殻類
- カニ — 甲殻類
- ロブスター — 甲殻類
- フジツボ — 甲殻類
- オキアミ — 甲殻類
- カメノテ — 甲殻類
- シャコ — 甲殻類
- ダニ類
- ゴキブリ類
- イカ — 軟体動物
- タコ — 軟体動物
- 貝類(アワビ、サザエ、あさりなどの貝全般) — 軟体動物
などがあります。
エビと同じ甲殻類にアレルギーがでる確率は高く、ダニやゴキブリ、軟体動物にアレルギーがでる確率は低くなります。
ただし、どれにアレルギーがでるかは人によって異なります。
エビ特有のアレルゲンが原因
エビ特有のアレルゲンとして、
- アルギニンキナーゼ
- SCP
があります。
ブラックタイガーなどで見つかったアレルゲンで、上記の「トロポミオシン」よりもマイナーであると言われています。
カニとの交差性はないことから、エビでアレルギーがでる人でもカニにはでないというケースの人はこれらのアレルゲンが原因となっている可能性があります。
仮性アレルゲンによる症状の場合
エビには仮性アレルゲンである「ヒスタミン」が含まれています。
特に鮮度が落ちることで増える成分で、エビにアレルギーがなくても、アレルギーのような症状を起こすことがあります。
ヒスタミンによって起きる症状は、
- じんましん
- むくみ
- 発赤
- 気管支の症状
などです。
ヒスタミンが原因の場合は、免疫系を介したアレルギーとは別物ということになります。
エビアレルギーの症状
エビアレルギーの主な症状は、
- 湿疹・蕁麻疹
- 吐き気、嘔吐
- 腹痛、下痢
- 口の中や唇、目の腫れやかゆみ
- 喘鳴、喘息、息苦しさ
- 頭痛、めまい
などがあげられます。
症状が重くなると、意識障害やアナフィラキシーの危険があることから、食べたあとに症状が強くでるようなときは、すぐに病院で診てもらう必要があります。
特にエビは、食べた後に運動することで発症する「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こす危険性がある食べ物です。
アナフィラキシーの詳細についてはこちらから♪
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
エビアレルギーの検査
エビアレルギーの検査は採血による特異的IgE抗体検査で行うことが可能です。
エビにアレルギーがある場合、他の甲殻類や軟体動物などにもアレルギー反応を起こすケースがありますので、関連検査項目も一緒に検査を受けることをおすすめします。
検査項目は自分で選択することも可能となっていますので、病院で相談して項目を決めましょう。
▶エビの関連検査項目
- エビ
- カニ
- ムラサキイガイ(ムール貝)
- イカ
- タコ
- ロブスター
- アサリ
- カキ(牡蠣貝)
- ホタテ
アレルギー検査の詳細についてはこちらから♪
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
スポンサーリンク
エビアレルギーの治し方や薬、対処は?
エビやカニなどの甲殻類は、7歳以降に発症するアレルギーの原因物質で最も多い食品です。
大人になってからの発症も多く、
「ある日突然アレルギーになる」
という人が多いのが特徴です。
大人になってから発症した食物アレルギーは、現在はほぼ治らないと言われていますので、対策としては、
「アレルゲンである食品を除去食とする」
こととなります。
アレルギー症状がでているときは、症状を抑えるための薬が処方されます。
- 湿疹であれば「ステロイド外用薬」などの塗り薬
- 蕁麻疹や呼吸器などを含めた他の症状では「抗ヒスタミン剤」などの飲み薬
です。
普段からアレルギー体質の人は、常に「抗ヒスタミン剤」を処方されるケースもあります。
ちなみに私はアトピーですが、常に抗ヒスタミン剤を服用しています。
食物アレルギーも時々発症しますが、薬の服用がなければもっと症状が重くなっている可能性があると思っています。
エビアレルギーの注意点
何が食べられるか知る
甲殻類のアレルゲンタンパク質の特性から、何らかの甲殻類にアレルギーがでると、他の甲殻類でもアレルギー反応を起こす可能性が高いと言われています。
ただし、上述したように人によっては、
「エビはダメだけどカニは大丈夫」
という人もいるんです。
ですから、自分が食べられるものが何なのかをきちんと知ることが大切です。
加熱すれば大丈夫なの?
エビを含む甲殻類の主要アレルゲン「トロポミオシン」は加熱してもアレルギー性は低下しませんので、加熱調理後であってもアレルギーがでる可能性は高いと言えます。
魚も除去対象?
甲殻類のアレルゲンは魚に対しては交差性はないと言われていますので、エビがダメでも魚は除去食対象とはなりません。
ただし、食物アレルギーが多い人は普段の食事で食べたものなどをきちんと記載しておくようにしましょう。
除去対象の食品とは?
かっぱえびせん
かっぱえびせんの原材料、アレルゲン表示には
小麦・えび
と記載がありますので、エビアレルギーの人は本来は避けた方がいいでしょう。
ただし、かっぱえびせんを食べてもアレルギー症状がでないという人がとても多いと言われています。
高温での加工がアレルゲン性の低下につながっているのでは。。
という噂もありますが、実際エビのアレルゲンは熱に強くちょっと理由としては説得力がありません。
少量のエビでもアレルギーがでる人は、食べないに越したことはありません!
しらす、ちりめんじゃこ
シラス自体は大丈夫なんですが、シラスには小さなエビなどが混入していることがあります。
実際にシラス丼を食べると小エビも見かけますので、しらすは避けた方がいいでしょう。
魚のすり身、かまぼこ
魚のすり身にも実は注意が必要なんです。
甲殻類と魚自体には交差性はないと言われていますが、魚のエサとして「エビ」を使用しているケースがあるんです。
エビやカニは特定原材料ですのでアレルギー表示が義務化されており、魚のエサとしての混入(コンタミネーション)についても、ある一定以上の量の場合は表示が必要で、
「原材料の魚はえびを捕食しています」
などの注意喚起表示がされています。
海苔
実は、ノリにも小エビが付着しているものがあるんです。
この場合もコンタミネーションになりますので、パッケージの表示を確認してください!
剥くのもNG
エビにアレルギーがあるのであれば、食べるだけではなく接触もNGです。
ですから、エビを剥くのは控えるようにしましょう。
どうしても剥く際はゴム手袋などで手をガードしてくださいね。
まとめ
エビの食物アレルギーについてご紹介しました。
エビにアレルギーがでると、他にも食べられないものがでてくる可能性がありますので、海鮮のものを食べるときには、特に注意してください!
加工食品についても、普段から必ずアレルギー表示のチェックが必要です。
アレルギー表示についてはこちらから
⇒アレルギー物質27品目とは?表示義務と推奨の食品がある!表示免除がある食品に注意!
スポンサーリンク