アレルギーの人は、普段から自分のアレルゲンには触れないよう、吸い込まないよう、食べないように注意してくると思いますが、実はアレルゲンと交差抗原性のあるものにも注意しなければいけないって知っていますか?!
交差抗原性があるものは、花粉や果物などの食べ物だけではなく、ダニなども該当する場合もあります。
交差反応、交差抗原性とはなんなのか?また、交差抗原性のあるものの一覧をご紹介します。
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交差反応ってなに?
アレルギーの原因物質であるアレルゲンとなるものには、食べものやその他にもさまざまな物質があります。
その中には、アレルゲンのタンパク質の構造がよく似ているものがあります。
アレルギー反応は、アレルゲンへの過剰な免疫反応によって引き起こされる病気ですが、これらの構造が似たタンパク質に対しても免疫細胞が間違って異物とみなしアレルギー症状を起こしてしまうことがあるんです。
この性質のことを「交差抗原性」や「交差性」、「交差反応性」と言い、また、このような反応のことを「交差反応」と言います。
えびにアレルギーがあると、カニにもアレルギーをおこしやすいというのは、これらがもっているアレルゲンタンパク質の形が似ていることがアレルギーが起こりやすい原因となっています。
また、即時型のアレルギー検査の代表である特異的IgE抗体検査では、アレルギーの症状がでていても、必ずしも交差抗原のあるものに対して陽性反応がでるとは限らないようです。
交差反応をおこす危険性は、ものによって異なり、もし危険率が高いと言われているものであっても、実際におこすか否かは人によって違ってきます。
自分が持っているアレルギーの抗原と交差性があるものも知っておくことが大切です。
交差抗原性のあるもの一覧
交差反応を起こす可能性がある、交差抗原性一覧をご紹介します。
花粉の交差抗原性
カバノキ科(シラカンバ・シラカバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ)
カバノキ科の花粉は、主に1月から5月に飛散します。
北海道の場合は、3~5月と他の地域に比べて飛散期間は短めです。
カバノキ科の花粉と交差性があるものは、
- バラ科(リンゴ、西洋ナシ、サクランボ、モモ、スモモ、アンズ、アーモンド)
- セリ科(セロリ、ニンジン)
- ナス科(ジャガイモ)
- マメ科(大豆、ピーナッツ・落花生、ブラジルナッツ)
- マタタビ科(キウイフルーツ)
- カバノキ科(ヘーゼルナッツ)
- ウルシ科(マンゴー)
- スパイス(マスタード、パプリカ、コリアンダー、シシトウガラシ、白ごま)
- ミカン科(オレンジ)
- ヤマノイモ科(やまいも)
- クルミ科(くるみ)
などです。
ヒノキ科(スギ・ヒノキ)
花粉症の代表とも言えるスギ・ヒノキ花粉は、2~5月に飛散します。
ヒノキ科の花粉と交差性があるものは、
- ナス科(トマト)
です。
イネ科(カモガヤ・オオアワガエリなど)
イネ科の花粉は5~9月の飛散が多いのですが、イネ科の植物が多く存在するため、何かしらイネ科花粉が一年中飛んでいると言われています。
イネ科の花粉と交差性があるものは、
- ウリ科(スイカ、メロン)
- ナス科(トマト、ジャガイモ)
- マタタビ科(キウイフルーツ)
- ミカン科(オレンジ、みかん)
- マメ科(ピーナッツ・落花生、その他の豆類)
- ナス科(トマト)
- 穀物(米、小麦)
などです。
キク科(ヨモギ)
ヨモギ花粉は秋の花粉症の一つです。
飛散時期は、8月から11月頃です。関東地方では長い期間飛ぶ傾向があります。
ヨモギ花粉と交差性があるものは、
- セリ科(セロリ、ニンジン)
- ウルシ科(マンゴー)
- スパイス(コリアンダー、クミン、マスタード)
- ナス科(ジャガイモ、トマト)
- マメ科(ピーナッツ・落花生、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ)
- 栗
- カモミール
- レタス
などです。
キク科(ブタクサ)
秋の代表花粉であるブタクサ花粉は、9月~10月が飛散量が多くなります。
ヨモギ花粉と同様に関東地方は長い期間飛ぶ傾向があります。
ブタクサ花粉と交差性があるものは、
- ウリ科(スイカ、メロン、カンタローブ、ズッキーニ、キュウリ)
- バショウ科(バナナ)
- マタタビ科(キウイフルーツ)
などです。
食べ物の交差抗原性
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甲殻類(エビ)
エビやカニなどの甲殻類にアレルギーがある場合は、他の甲殻類に交差性があります。
エビにアレルギーがある場合、カニやロブスターにも反応する危険率は、75%です。
貝類やイカ、タコの危険率は低いと言われています。
- 他の甲殻類(カニ・ロブスターなど)
- 貝類
- イカ・タコ
もも(桃)
モモと交差性があるものは、
- 他のバラ科のくだもの(りんご、なしなど)
で、危険率は55%です。
魚類(さけなど)
さけと交差性があるものは、
- 他の魚類(かじき・ひらめなどの魚種間であり)
で、危険率は50%です。
キウイ・バナナ・アボカド
キウイ、バナナ、アボカドと交差性があるものは、
- ラテックス(ゴム製品)
で、危険率は11%であり低いと言えます。
牛乳
牛乳と交差性があるものは、
- 牛肉 (危険率10%)
- 山羊乳(危険率92%)
- 馬乳(危険率4%)
です。
牛肉は危険率が低いため、牛乳が飲めない場合でも牛肉は食べられる可能性が高いと言えます。
大豆
大豆と交差性があるものは、
- 小豆
- そら豆
です。
ごま
ごまと交差性があるものは、
- ナッツ類
- ライ麦
- キウイフルーツ
です。
米
米と交差性があるものは、
- 小麦
- イネ科の植物(カモガヤ、ネズミ麦、すすき、葦)
です。
ナッツ類
ナッツ類と交差性があるものは、
- ラテックス(ゴム製品)
です。
アーモンドやブラジルナッツ、ヘーゼルナッツにアレルギーがあると、ピーナッツと交差反応がでる可能性があります。
その他の交差抗原性
ラテックス(ゴム製品)
ラテックスと交差性があるものは、
- キウイ
- バナナ
- アボカド
- 栗
- パパイヤ
- マンゴー
- パッションフルーツ
で、危険率は35%です。
ダニ
ダニと交差性があるものは、
- カニ
- エビ
- イセエビ
- シャコ
- フジツボ
- ロブスター
- ザリガニ
などです。
一見なんの関係もないもののように思えますが、タンパク質の構造が似ているということになります。
まとめ
花粉が原因の交差反応の場合、フルーツや野菜を食べて、口の中にあらわれる口腔アレルギー症候群を発症するケースが多いと言われています。
食物アレルギーをはじめとるアレルギーは、重篤な場合はアナフィラキシーを起こす危険性もあるため、普段から除去対象となるものをしっかり把握するようにしましょう。
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