「新生児・乳児消化管アレルギー」は、赤ちゃんが飲むミルクや母乳で、消化器系の症状が起きるアレルギーです。
2000年頃から増えた食物アレルギーの一種ですが、非即時型のアレルギーのため、ミルクを飲んでからすぐには症状がでないという特徴があり、通常の即時型の食物アレルギーとは異なるものです。
母乳やミルクでおきる赤ちゃんのアレルギーとはどのようなものなのかをご紹介します。
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新生児・乳児消化管アレルギーとは?
新生児・乳児消化管アレルギーとは、新生児から乳児期の間(生まれてすぐから1歳ころまで)に発症する食物アレルギーです。
このアレルギーは、即時型の食物アレルギーとは異なり、アレルギー抗体(IgE抗体)によるものではなく、アレルゲン特異的リンパ球による細胞性免疫というものが関係していることから、即時型のアレルギーのようにすぐに症状がでないという特徴があります。
非即時型のアレルギーは目安として、食後最短で1時間後から24時間以内に症状がでるのですが、赤ちゃんの体調などによっても症状があらわれるまでの時間はまちまちであると言われています。
新生児・乳児消化管アレルギーは、難治性疾患の一つとされており、「新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸炎」という病名がついています。
もしミルクや母乳にアレルギーがある場合でも、IgE抗体値が高くなる傾向がある即時型のアレルギーの場合は、このアレルギーには該当しません。
まずは、病院での診察と検査で、赤ちゃんの症状がどのアレルギーなのかを確認することが大切です。
新生児・乳児消化管アレルギーの原因は?
原因となるものは
- 牛乳・乳製品
- 母乳
- 米、大豆
- 卵
- その他
があげられ、牛乳、乳製品で発症するケースが最も多くみられます。
新生児・乳児消化管アレルギーの症状は
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新生児・乳児消化管アレルギーの主な症状は、
- 嘔吐
- 下痢
- お腹が張る
- 血便
- 体重が増えない
などの消化器に関する症状です。
症状は赤ちゃんによって、度合いが異なり少量の血便の場合や、日に何度も下痢を起こす場合などさまざまです。
それぞれの症状に対して、他の原因も考えられるため、診断がとても難しいと言われています。
新生児・乳児消化管アレルギーの治療は?
治療は、原因となる食物の除去となりますので、母乳や粉ミルクが原因の場合は、アレルギー用治療ミルクでの代用となります。
その他、お母さんが食べたものの成分により、母乳から赤ちゃんへ影響がある場合もあり、このような場合は、お母さんが特定の食物の摂取を控えることとなります。
治療ミルクには含まれる成分によって、4種類あります。
赤ちゃんの原因となっているアレルゲンによって種類がかわります。
もちろん症状の改善度が高いミルクを使用したいところですが、ものによってはミルクだけでは足りない栄養成分を他で補う必要がでてきますので、医師の指示のもとに治療ミルクを使用することとなります。
症状が改善したら
治療ミルクによって症状の改善がみられると、離乳食を始めることとなります。
果物や野菜、おかゆなど症状を見ながら徐々に食べられることを確認し、1歳になるまでにアレルギーの原因となる食べ物以外が食べられるようになることが目標の一つとなります。
1歳までに治るの?
原因となる食べ物の除去と経過観察などが適切である場合、
- 1歳まで:50%
- 2際まで:85%
- 3際まで:95%
の赤ちゃんが原因となる食物を食べることができるようになると言われています。
牛乳除去時の注意点
牛乳を除去している場合は、下記のものも除去対象となりますので、注意が必要です。
- 脱脂粉乳
- 乳清たんぱく(ホエイ)
- カゼイン
まとめ
新生児・乳児消化管アレルギーがどのようなものなのかをご紹介しました。
診察が難しいアレルギーの一つと言えます。
大きい病院でなければわからない場合もあるようです。
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