牛乳アレルギーは比較的多いアレルギーの一つです。
牛乳は、6歳までの子どもでは、卵の次に多いアレルゲンとなりますが、7歳頃までに治るケースも多い食物アレルギーです。
アレルギーとわかった場合は、きちんと食品除去しなければなりませんが、実は乳のアレルギーではなく、「乳糖不耐症」の場合もあります。
でている症状の原因がアレルギーなのか、他にあるのかを検査などできちんと確認することが大切です。
牛乳アレルギーの症状や原因、アレルギー検査、乳が含まれている食品、食品表示、除去食の注意点についてご紹介します。
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牛乳アレルギー(ミルクアレルギー・乳アレルギー)とは?
牛乳は全体のアレルゲンの約20%を占める、鶏卵に続く2番目に多いアレルゲンです。
アレルギー症状も重篤な場合があるので、牛乳だけではなく牛乳の成分が含まれる食品には注意が必要です。
乳はアレルギー表示が義務付けられている「特定原材料 7品目」の一つですので、牛乳アレルギーがある人は加工食品を購入する際は必ず確認をしましょう。
牛乳アレルギーの症状
牛乳アレルギーの症状は
- 皮膚が赤くなる・腫れる
- かゆみや蕁麻疹
- 口の中がヒリヒリする、口内の違和感
- 嘔吐、下痢
- 気管支喘息
などです。
牛乳の摂取量が多いと発症のリスクが高まると言われています。
食物アレルギーは、症状が重篤な場合は、呼吸困難や意識障害、アナフィラキシーを起こす場合もありますので、症状が強くでたことがある人は、日ごろからの対策が必要となります。
アナフィラキシーについてはこちらから♪
⇒アナフィラキシーの症状とは?エピペンが必要?起きたときの対応、処置は時間が勝負!!
牛乳アレルギーの原因
牛乳アレルギーは、牛乳に含まれるタンパク質である、「カゼイン」が主な原因です。
その他にも、「ホエー」や「βラクトグロブリン」、「αラクトアルブミン」も牛乳に含まれるタンパク質もアレルゲンとなる場合があります。
「カゼイン」は耐熱性があり熱に強いため、牛乳を加熱したとしてもアレルギーを起こす成分の量は変わりません。
また、発酵した際には、カゼインの成分が少なくなりますが成分が完全になくなるわけではありませんので、発酵食品についても注意が必要です。
牛乳アレルギーの検査
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牛乳アレルギーは、血液検査、皮膚テストで確認できます。
血液検査(特異的IgE抗体検査)
採血を行い、牛乳のタンパク質に対する抗体の値を確認する検査です。
皮膚テスト
皮膚に薄めたアレルゲンエキスを接触させて、実際に腫れなどの反応がでるかを確認するテストです。
アレルギー検査についてはこちらから♪
⇒アレルギー検査にかかる費用とアレルギー検査項目のすべて
牛乳の交差抗原性・交差反応性
ある食物のタンパク質と似た構造のタンパク質を持っていると、違う食物であってもアレルギー症状を起こすことがあります。
これを交差反応といい、アレルギーを起こす可能性があるものを交差抗原といいます。
牛乳と交差抗原性がある食物は
- 牛肉(反応する危険率は10%)
- ヤギ乳(山羊乳)(反応する危険率は92%)
- 馬乳(反応する危険率は4%)
です。
ただし、牛肉や馬乳は交差反応がおきる危険率はとても低いことから、乳にアレルギーがあっても、牛肉や馬乳は食べる・飲むことができる人が多いと言われています。
山羊乳はアレルギー症状を起こす確率がとても高いので、特に注意が必要です。
牛乳アレルゲンが含まれている食品
加工食品の表示
加工食品の食品表示を確認する際は、「乳」と言う文字が入っていても「牛乳」には関係がないものもありますので、正しく見分けられるようにしましょう。
牛乳が含まれている食品
- 生クリーム
- ヨーグルト
- アイスミルク
- ラクトアイス
- ミルク
- 乳糖
- アイスクリーム
- バター
- チーズ
- 乳製品
- 乳
- 生乳
- 牛乳
- 特別牛乳
- 成分調整牛乳
- 低脂肪牛乳
- 無脂肪牛乳
- 加工乳
- クリーム(乳製品)
- バター
- バターオイル
- チーズ
- 濃縮ホエイ(乳製品)
- アイスクリーム類
- 濃縮乳
- 脱脂濃縮乳
- 無糖れん乳
- 無糖脱脂れん乳
- 加糖れん乳
- 加糖脱脂れん乳
- 全粉乳
- 脱脂粉乳
- クリームパウダー(乳製品)
- タンパク質濃縮ホエイパウダー(乳製品)
- ホエイパウダー(乳製品)
- バターミルクパウダー
- 加糖粉乳
- 調整粉乳
- はっ酵乳
- 乳酸菌飲料
- 乳飲料
- カゼイン
- ホエー、ホエイ、乳清
- ラクトグロブリン
ケーキは、生地、生クリームに乳が含まれています。
牛乳アレルギーでも食べられるケーキはこちらからでご紹介しています♪
⇒ケーキアレルギー対応のケーキはある?乳、卵、小麦粉不使用の市販ケーキ
牛乳が含まれていない食品
乳化剤や乳酸菌など下記の食品には”乳”という字が使われていいますが、牛乳の成分は含まれていません。
- カカオバター
- 乳化剤
- 乳酸菌
- 乳酸カルシウム
- 乳酸ナトリウム
アレルギーではなく乳糖不耐症かも
牛乳に含まれる「乳糖」の分解酵素を持っていない人は、牛乳アレルギーではなくても、アレルギーのような症状が起こることがあります。
これを「乳糖不耐症(にゅうとうふたいしょう)」といいます。
お腹をこわしたり、胃痛を起こしたりする場合がありますが、あくまでも乳糖を分解できないのであり、アレルギーとは別のものです。
乳の除去食の注意点は?
牛乳アレルギーがある場合の注意点としては、「カルシウム」の摂取量が減るということです。
粉ミルクも、「ミルクアレルギー用の粉ミルク」がありますし、「牛乳アレルゲン除去調整粉乳」というアレルギー用ミルクもありますので、これらで代用するようにしましょう。
また、「たんぱく加水分解乳」など低アレルゲン化食品もあります。
これは、アレルゲンであるタンパク質の成分を加工によって少なくしてある食品です。
もちろんアレルギー反応が強い場合は摂取することはできませんが、低アレルゲンであれば問題なく食べれる場合は、このような食品を使って不足しがちな栄養素を摂るようにしましょう。
赤ちゃんのミルクアレルギーはこちらから
⇒ 母乳・ミルクでアレルギー?赤ちゃんの食物アレルギー「新生児・乳児消化管アレルギー」とは?
乳アレルギーは薬にも注意!
牛乳のタンパク質である「カゼイン」は一部の内服薬にも使われている成分ですので、薬を使用する際も注意が必要です。
その他にも、薬に使用されている成分で乳アレルギーの人が注意しなければいけない成分があります。
- カゼイン
- タンニン酸アルブミン
- 耐性乳酸菌
- 乳糖
などです。
まとめ
牛乳アレルギーで一番注意しなければならないことは、加工食品に含まれている乳成分を見分けることです。
他の成分に比べて、表記が難しくなっていますので、キチンと理解して除去するようにしましょう。
また、赤ちゃんの場合、三歳くらいまでには自然に治るケースも多くみられます。
その場合、除去食を解除できるように定期的に病院で確認をするようにしましょう。
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